モーガン・フリーマン「セクハラ騒動」で大迷走

2018年05月31日 11時00分

謝罪の後、セクハラを否定したフリーマン(ロイター)

 米CNNなどが先週末、米オスカー俳優モーガン・フリーマン(80)からセクハラ被害を受けたとする複数の女性が、名乗り出たとセンセーショナルに伝えた。ところが、被害者の1人とされた女性が今週「CNNの報道の仕方は偏向している」として同局に猛クレームをつけ、騒動が勃発。当のフリーマンもいったん謝罪したかと思えば、セクハラを否定するなど迷走している。

 先週、逮捕されたハリウッドの大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン容疑者(66)にまつわるセクハラ告発に端を発した性的嫌がらせ撲滅運動。過去に不適切な性的行為があったとして、著名な俳優や監督らの名前が次々と挙げられるなか、CNNは25日、フリーマンを新たなターゲットとし「16人の女性がフリーマンの不適切な行動を目撃したなどと証言し、うち8人が直接被害を受けた」と報じた。

 その被害者8人のうちの1人とされたのがシカゴのテレビ局「WGN―TV」の女性プロデューサー、タイラ・マーティンさんだったが「CNNの取材を受けたが、私は被害者じゃない」と主張し、騒ぎになっている。

 CNNは「フリーマンの下ネタや、望まないスキンシップにより、マーティンさんは『仕事がしづらくなった』と訴えた」と報道したが、当のマーティンさんは米芸能サイト「エッセンス」に「CNNは私の取材映像を都合のいいように編集をして完全に印象操作をしている。私のコメントを前後の脈絡なく切り貼りしている」と同局の報道姿勢を批判した。

 マーティンさんは過去に何度もフリーマンをインタビューした経験から「軽い冗談程度の不適切さで、下ネタもすぐに慣れるレベル」とした。その一つとして「ある時、私がイスから立った際にスカートの裾を下に引っ張って直したの。すると彼は『下げない方がよかったのに』って言ったわ」。CNNに話したことは事実だが、それで自分が「被害者」と報じられたのは心外だと訴えた。

 CNNといえば昨年、トランプ米大統領から「フェイクニュース」とヤリ玉に挙げられた米大手報道機関。トランプ氏は今年1月、自らの“独断と偏見”で「2017年のフェイクニュース賞」を発表。同氏が大誤報だとする記事トップテンのうち、4つがCNNによるもので最多だった。

 一方、CNNの報道直後、フリーマンは「私のせいで不快な気持ちになった人や、見下されたと感じた人たち全ての人におわびします」との謝罪コメントを発表した。だが、28日には「私の80年間の人生が一瞬のうちに損なわれる危機に瀕している。これははっきりさせておきたい。私は危険な職場環境を作っていないし、女性たちに暴行を加えてもいない。セックスの見返りに便宜を図ったこともない」との新たな声明を出した。

 フリーマンは「ミリオンダラー・ベイビー」(2004年)で米アカデミー賞助演男優賞を受賞。「ショーシャンクの空に」(1994年)や「ダークナイト」(08年)など、多くの名作に出演。今回の報道で、1月に授与された米映画俳優組合の生涯功労賞の剥奪の可能性が出ているほか、広告が打ち切りになるなど影響が出ている。