津川雅彦 妻・朝丘雪路さん死去に「彼女を残すよりはよい結果」

2018年05月20日 18時29分

会見する津川雅彦

 女優・朝丘雪路(本名・加藤雪会)さんが4月27日に82歳で死去したことを受け、夫で俳優の津川雅彦(78)が20日、都内で緊急会見を行った。1973年に結婚して以来、ずっと連れ添った愛妻に「感謝してます。全てにね。感謝してます」との言葉をささげた。

 事務所関係者によると、朝丘さんの死因はアルツハイマー型認知症だった。自宅から会見に向かった津川も肺炎の養生のための酸素吸入器を鼻に、パルスオキシメータを指につける痛々しい姿だ。キャスター付きのイスに座ったまま会見場に入る予定だったが、自身の足でしっかり歩いて入場した。

 リポーターから心配されると「大丈夫じゃないね。こんな格好して大丈夫と言うなら、うそになるよ」と切り出した。呼吸が苦しいようで、長い言葉を話せない。

 朝丘さんは2014年、娘で女優の真由子が手掛ける舞台に津川と出演したのを最後に、表舞台から姿を消した。認知症の進行はそのころから悪くなっていた。「アルツハイマーになってね。4~5年になるのかな。だんだん深くなっていくよね」と話す。夫の津川のことさえ「だんだん(分からなくなった)」という。「すいません。病気の状態のことはなるべくしゃべらないでご勘弁願えますか」と沈痛な面持ちで訴えた。

 別居生活をしていた夫婦は、病気をきっかけに3~4年前から再び同居。自宅での介護生活は「つらい」ものだったが「そのほうがいい。(夫婦)両方にとって」と語った。

 息を引き取ったのも自宅だった。しかし、会話はできず、当日も「全然(話せていない)」といい「声をかけるような状態じゃない。(真由子は)『ママ』と呼ぶようなものでした。話をしないからね」。

 最後に話したのは数か月前。「あら」と声に出したそうだ。「俺と分かってしゃべったのかな。『あら』。僕を見てね」。だが、津川の衰弱した状態にも「気がついていなかった」という。

 夫婦生活の一番の思い出として、かつて津川の事業が失敗したときのことを挙げた。「残念なのは、グランパパのことで彼女の自宅を売らなきゃならなくなった。それが一番残念な思い出です。彼女はお金にきれいな人で。本当にすんなりうちを渡してくれました。うれしかったです。感謝です」

 女優、歌手、タレントと様々な顔を持つ朝丘さんの中で一番好きなのは「女優」の朝丘さん。津川の前でも「女優でした」。

 今ではおしどり夫婦と言われる2人だが、朝丘さんに前の夫がいたときから愛し合っていた。うんうんとうなずきながら「不倫ですからね」と振り返る津川は、大恋愛の末の結婚を「熱があったというか」と振り返る。

 津川の浮気報道の際に、朝丘さんが「もっと遊びなさい」と言ってのけた話も有名だ。「僕は遊びましたからね。(発言は)もっと遊んでいいよということじゃないですか。(やきもちを焼かれたことも)ないです。(奥さんが怖いということも)ないですね」。大物同士のカップルならではの破天荒な夫婦像が浮かび上がる。

 結婚生活について「悔いはいっぱいあります。思い出せないくらい」という津川は再び「感謝」を口にした。「全て。あらゆること。娘を産んでくれたこと。うちを売ってくれたこと。僕より先に死んでくれたことを含めて全てです」。お嬢さま育ちの朝丘さんに、つらい思いをさせたくないという気持ちなのだろう。「先に死んで彼女を残すよりはよい結果になりました」

 会見が10分を過ぎると、関係者が「そろそろいいですか」と切り上げをうながした。津川さんの状態は自身が言うように「大丈夫」には見えない。会見が終わると早々に退場したが、今度はイスに座ったまま支えられてその場を後にした。