俳優・勝野洋(68)とタレント・キャシー中島(66)夫妻らが15日、東京・港区の俳優座劇場で、舞台「ラ・ボエーム」(同所で20日まで)の公開ゲネプロを行った。

 1970年代、東京・青山の裏通りに実在した伝説のおかまバーを舞台に、悲喜こもごもの人間模様を描く。キャシー自身が体験した原案を次女・雅奈恵(36)が脚本に仕上げ、長男・洋輔(34)が衣装を担当した。

 青学大出身の勝野は「家族でやるのはこれで3作目。彼女の口車に乗せられて、気がついたら舞台に立っているという感じ。お互い知りすぎていてやりにくいこともあるけど、それを乗り越えれば快感になる。青山の表通りはよくウロウロしていたが、裏でこんなことがあったとは知らなかった」と語った。

 対するキャシーは「勝野さんは地味で暗い70年代、私は派手で楽しい70年代を過ごした」と笑わせると「あのころは、まだおネエであることを世間に出せない時代だったが、ママを慕って多くの人が集っていた。いつもその話を、家族に『こういうことがあった』と話しており、それを脚色しながらお芝居にした」と舞台裏を明かした。

 芸能界きっての“おしどり夫婦”として知られるだけに、キャシーは「舞台をやると1年間、家族が同じ方向に向かって進む。でも、直前に必ず大ゲンカするんだけど」と苦笑しながらも「私のお願いは一つ。パパのセリフを多くということだけ」と、最愛の夫へのサポートを欠かさない。

 当の勝野は熊本の生まれ。「九州の男はしゃべっちゃいかん」と照れ隠しした。

 舞台は勝野の親友・草刈正雄(65)の次女である麻有(25)がキャシー役を演じ、勝野家と親交の深い喜劇俳優の渋谷天外(63)が伝説のおかま・テリーを演じる。