女性進出の先駆者アグネス・チャン 30年前にあった論争に改めて注目

2018年05月11日 16時30分

女性進出の先駆者アグネス・チャン

 日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャン(62)が10日、東京・港区のユニセフハウスを訪れ、旭日小綬章受章を報告した。

 アグネスは平成30年春の外国人叙勲で旭日小綬章を受章。1998年の就任以来、日本ユニセフ協会大使を務めるアグネスは、花束を受け取ると「本当にうれしいです。身に余る光栄です」と涙ながらに語った。

「94歳になる母にも報告しました。高齢なのであまり分かっていなかったようですが、手を握って心で伝わらないかなと。すでに他界した父にも墓前で報告しました。父は日本に行くのを最初は反対していて、後から応援してくれた。遅くなりましたが、親孝行できたのではないかと思っています」

 大使就任以来、20年間で24か国を訪問。恵まれない子供たちと直接触れ合い、現状を目の当たりにしてきた。アグネスは「戦地の子供たちは幼い子が兵士にされたり、拉致されたりしていて、本当に戦争が憎いという気持ちになりました」と、戦争の悲惨さを訴えた。来月にはウクライナを訪れる予定だという。

 世界中の子供たちの幸せに尽力するアグネス。自身の子育てでは、1987年に起きた「アグネス論争」が有名。アグネスが子育てのため、第1子をテレビ局など職場に連れてきたことが当時、議論となり、アグネスは「けしからん」などと批判を受けた。女性の社会進出に伴い、子育てに関しても環境づくりが整備されつつある現在なら考えられない批判だ。

 本紙が「あの時、騒動になったことは良かったですか?」と聞くとアグネスは「ターニングポイントになりました。社会の意識の方向性としては、いい方向に向かっている。でもまだ改善の余地はあると思いますね。まだまだ足りないです」と答えた。

 アグネスは日本社会における働く女性の子育てについても、30年も前から行動を起こした先駆者だったと言えそうだ。