【130】イギリスの“不吉の象徴”ブラックドッグ

2015年11月27日 12時00分

黒い犬の形をした妖精「ブラックドッグ」

 イギリスに伝わる黒い犬の形をした妖精「ブラックドッグ」は、不吉の象徴とされている。「ヘルハウンド(地獄の獣猟犬)」「黒妖犬」の名でも知られている。

 イギリス全土に伝承が残るため、地方によって呼び名がさまざまにある。「ブラックシュック」「ギャリートロット」「クー・シー」「バーゲスト」「マーザドゥー」などに派生する。

 その名の通り黒い体を持ち、顔には赤く光る目と鋭い牙、夜に出現すると言われている。大きさは牛ほどあり、犬としてはかなり大きめ。硫黄のようなにおいを残して去るとの情報もある。口から火を吐く、光とともに現れる、という伝承も。

 人の死にまつわり、人が不吉な死をした場所に現れることが多い。またブラックドッグが直接殺すこともあれば、見ただけで死ぬ、声を聞くだけで死ぬ、触れたら死ぬ、など不吉な上に凶悪である。にらまれたら体が動かなくなって意識を失った、という報告もある。

 地方によって性質も変わるようで、妖精の番犬であったり、人間に危害を加えないもの、「ブラックドッグが見えない」人には危害が加えられない、などの特徴もあるようだ。

 撃退方法は「神に祈りを捧げる」というものと、流れる水が苦手なため「川を渡れば済む」という方法が伝わっている。

 古い記述では14世紀のものがあり、デボン州のダートムーアで人を殺したというものだ。ハッキリとしたものでは、1577年にブライスバーク教会で雷とともに現れたブラックドッグが2人の信者を殺したというものがある。

 伝承としての色合いが強いUMAだが、1972年にも出現報告があり、実在の可能性が高まった。農家のモーガン夫妻の家に現れたという。モーガン氏は物音で目を覚ましたところ廊下でブラックドッグに遭遇。用心のために持っていた火かき棒を投げつけると、その場から消えたそうだ。十字路や三差路など、道での目撃情報が多いUMAだったため、屋内での目撃はかなり珍しいものとなる。

 伝承の存在とはいえ、目撃例も多く、一概に存在していないとは言えない。自然発火現象や球電現象など、別の現象が死を引き起こし、黒い犬のような存在を錯覚させたのではないだろうか。

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