【105】空から降ってくるイタチに似た妖怪「雷獣」

2015年06月05日 12時00分

 6月に入り、いよいよ梅雨の時期を迎えようとしている。今年も5月から夏日が続いていたので、猛暑になることが予想されるであろう夏には雷を伴う激しい豪雨がやってくるかもしれない。

 雨にはつきものの雷。古来、日本人は雷を神秘的なものと考え、稲妻や閃光、轟音に龍や鬼神の姿を重ね合わせてきた。また、雷とともに空を飛ぶというイタチに似た姿の妖怪「雷獣」が存在するとも考えられていた。

 雷獣は主に東日本を中心とした日本各地に伝説が残っており、目撃証言などから総合すると大きさは約20〜60センチほど、体が長く猫や小型の犬に似ている。尾が長く、茶色の毛が体を覆っていて、足が6本あるという説も存在する。主に荒天時に活発に活動し、逆に晴天時は動きが鈍ったという話がある。

 このように、雷獣は妖怪でありながらその容姿が非常に詳細に知られている妖怪でもある。なぜならば、この雷獣は主に江戸時代に目撃証言が多く見られ、発見された年月日だけでなく姿形の明確な記録や、スケッチまで残っているからだ。現在では、雷獣の正体はイタチないしはハクビシンの誤認だったのではないかとみられている。

 ハクビシンは明治期に日本に定着したジャコウネコ科の生物で、主に樹上生活を行い、姿形はイタチに似ている。当時は珍しかったハクビシンが、落雷の際にたまたま見つかって妖怪だと考えられるようになったのではないだろうか。

 しかし、一方で本当に未知の生物としか思えない雷獣の報告もある。

 1801年に現在の広島県で目撃された雷獣は体長が約95センチ、顔はカニに似て全身にウロコがあり、手足には2本の鉄のような爪があったという異形の姿をしている。

 例えばアナグマならば穴を掘るための鋭い爪があるが、顔は似ても似つかないし当時既にアナグマの存在は確認されていたため、誤認したとも思えない。やはり、別種の生物であったのではないかと考えられている。

 また、1971年7月、岐阜県飛騨川上流の秋神ダム付近で、大学生が体長70センチほどでイタチに似たどう猛な顔つきの謎の生物を目撃したという。これも雷獣の一種ではないか、と考えられている。

 そんな雷獣のミイラとされる物を、筆者の山口敏太郎が某所より手に入れることに成功した。写真のミイラがその雷獣であるが、これはイタチ科の生物のものではないかと見られている。

 このミイラは現在お台場デックス東京ビーチの「山口敏太郎の妖怪博物館」にて展示されている。昔から語り伝えられてきた伝説の妖怪、雷獣の姿を間近で見てみてはいかがだろうか。

 

■関連動画■【ゲゲゲの鬼太郎】014雷獣(らいじゅう)~水木しげるロード~

YouTube Preview Image