米ニューヨーク州とバーモント州、カナダのケベック州にまたがるシャンプレーン湖には、昔から奇妙な怪物が出現するという伝説がある。現地のネーティブアメリカンであるイロクォイ族によれば、湖に“角を持つヘビ”がすんでおり、そばを通る人に襲いかかってくるという。

 そのUMAは「チャンプ」と呼ばれている。

 シャンプレーン湖は1609年にフランス人探検家のサミュエル・ド・シャンプランによって発見されたが、この時、彼も伝説の怪物らしき生物を目撃していたという記録が残っている。つまり、少なくとも数百年にわたって目撃されているUMAなのだ。

 有名なものが1977年7月にマーシー夫妻によって撮影されたカラー写真だ。湖面から鎌首をもたげる何らかの生物の姿が写っているものだが、この写真は当時でも信ぴょう性が疑われた。しかし、アリゾナ大学光学センターによる鑑定の結果、合成などではなく何らかの物体をとらえたものであるという結果が判明している。

 近年でもたびたび目撃されており、2006年には釣り人が偶然チャンプの撮影に成功。ABCニュースで公開されて全米の注目を集めた。

 また、2009年にはエリック・オルセン氏が手にしていた携帯電話での撮影に成功、ユーチューブに公開されて話題となった。
 なお、この動画が撮影された翌月にもチャンプらしき生物が目撃されている。

 目撃証言や記録によれば、チャンプはおよそ5メートルから15メートル、長いものでは24メートルもの体長があり、細長い2メートルほどの首の先にヒゲのある馬に似た顔があるといわれている。

 1977年に撮影された写真のインパクトが非常に大きいため、ネッシーのように首長竜の生き残りではないかと考えられている。それ以外にも非常に大きなチョウザメであるという説や、絶滅した古代のクジラではないかとする説も存在する。

 しかし、シャンプレーン湖は最大水深122メートル、平均水深がなんと19・5メートルと、広さの割に極めて浅い湖である。あまり大きな生物が人知れず生息しているということは考えづらい。

 それでも近年に至るまで、チャンプの目撃証言や動画が撮影されているということは、やはり何かしらの生物が昔から生息してきているという事なのだろう。

 もしかすると近い将来、チャンプの本当の姿がとらえられる日が来るのかもしれない。