【86】乗組員26人が目撃! 波間からのぞくギョロ目「カバゴン」

2015年01月23日 12時00分

カバゴン

  今までさまざまなUMAを紹介してきたが、見た目と名前のインパクトで1、2を争うものは「カバゴン」を置いて他にないだろう。

 冗談のような名前だが、れっきとした正式名称である。それもそのはず、このUMAを目撃したのは遠洋漁業に出ていた日本人であり、UMAの見た目がカバに似ていたために「カバゴン」という名前が付けられたのだ。

 1974年4月28日午後、日本の遠洋漁業船「第二十八金毘羅丸」がニュージーランド南東沖合を航行中、海面から顔を出していた怪獣と遭遇。なんと、乗組員26人全員が怪物を目撃したという。確認できたのは頭部だけであったが、それでも1・5メートルほどの大きさがあった。怪物はしばらく乗組員らと対峙していたが、やがて海中へ姿を消していったという。

 この事件は現地ニュージーランドの情報誌「ニュージーランド・ウイークリー・マガジン」でも取り上げられ、同誌では目撃された海域に近い海岸で、謎の生物のものと見られる足跡が発見された、とも報じていた。

 後に、目撃した木村実船長がこの怪物の姿を絵に残している。シワが多い頭部に、赤く光っていたという大きな目玉。また、UMAの絵には珍しく大きな鼻の穴も描かれており、潰れたような形状をしていたとされる。

 なお、確認できたのは頭部のみであるが、体色は褐色に近い灰色とトドやアシカ、アザラシなどの海生哺乳類に近いため、アシカやトド、セイウチなどの誤認だったのではないかとする説も存在する。確かに、大きさなどからセイウチが一番似ていたそうだが、セイウチが生息しているのは北半球のみなので、南半球のニュージーランド沖に出現したとは考えにくい。

 では、カバゴンの正体は何だったのだろうか。一つは、南極で目撃されている他のUMAと同一種だったのではないか、とする説だ。1956年には南極基地から帰還する越冬隊が宗谷丸のブリッジから謎の生物を目撃。当時人気だった怪獣映画「ゴジラ」にちなんで「南極ゴジラ」と命名された。

デスモスチルス

 なお、南極ゴジラも全身を黒褐色の体毛に覆われており、毛が長く、一見するとオカッパ頭のように見えたということなので、もしかすると南極ゴジラとカバゴンは同一個体か近縁種だったのかもしれない。

 もう一つは、まったくの新種か、既に絶滅してしまったと考えられている生物の生き残りだったのではないか、とする説だ。特に氷河期直前である中新世後半のトートニアン期まで生息していた「束柱類」の生き残りではないかとする説が根強い。束柱類は束状になった独特の歯を持つ原始的な哺乳類で、日本で発見されたデスモスチルスが代表格となる。

 かつてはカバに似た外見から半水生だと考えられていたが2013年4月3日、大阪市立自然史博物館、ドイツ・ボン大、足寄動物化石博物館などで構成される研究グループが束柱類の骨密度を研究した結果、海に適応し遊泳能力の高い動物群であると結論づけている。これが正しければ、カバゴンや南極ゴジラは氷河期を生き延びた束柱類と言えるかもしれないのだ。

 

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