【71】目撃証言は100超! ノルウェーの湖に生息するとされる「セルマ」とは?

2014年10月10日 12時00分

 白夜と、厳しくも豊かな自然で知られる北欧には、古くから様々な妖精や幻獣の伝説が残っている。未確認生物研究の歴史についても重要な地域であり、クラーケンをはじめとする代表的な水棲怪獣の伝説を書き記したオラウス・マグヌスはスウェーデン出身の司教である。彼が記した「北方民族文化史」にはクラーケンの他にもノルウェーの海にすむ巨大な海蛇の伝説があり、これが今日にも伝わるUMA「シー・サーペント」の古い記録であるとされている。

 このように古くから独特の伝説が残る北欧だが、まさしく伝説上の生物が実在しているのでは、と注目されているUMAが存在する。

 その名は「セルマ」。ノルウェーのセヨール湖に生息するとされている、非常に長大な体を持つ未確認生物である。体長は約6〜10メートルほど、顔は馬や鹿に似た長い顔をしているという。ちなみにセルマの名前は生息する湖の名前からつけられたものでもあるが、東欧や北欧によくみられる女性の名前に近い(つづりはどちらもselma)。蛇形のしなやかな体が女性を想起させたのかもしれない。

 セルマらしき生物が目撃され始めたのは1750年ごろ。以降たびたび人々の前に姿を現しており、近年でも100を超える目撃証言が報告されているという。

 セルマは他のUMAに比べて目撃証言が多く、動画や写真も撮影されているため、研究者の間では実在の可能性が高いという点で注目を集めているUMAである。

 現在、セルマを追いかけているのはスウェーデンを中心に活動するGUST(Global Underwater Search Team)という水棲未確認動物研究チームである。彼らは2000年8月にコメットという6メートルもの長さのチューブ状のワナをセヨール湖に設置して生け捕り作戦を行ったが、250時間もの時間をかけたにもかかわらず、残念ながら成功には至らなかった。しかし、彼らは調査中に奇妙なソナーによる測定結果を得ている。

 そして04年、彼らはついにセルマのものとおぼしき謎の生命体が湖面を泳ぐ姿の撮影に成功したのである。この時、撮影された生物の全長は過去のセルマの目撃証言から比較すると小形であるため、おそらく幼体を撮影したものではないかと考えられている。

 また、この時GUSTは謎の生物の鳴き声と思われる音声を捉えているが、これも既知の生物のものとはかけ離れていることが判明している。

 また、12年になって、現地の17歳の少女が家族との旅行でセヨール湖を訪れた際に、セルマとおぼしき生物の姿が湖面に現れた様子を撮影することに成功している。

 このセルマの正体については諸説あるが、最も精力的にセルマの研究をしているGUSTは、古代に絶滅した無顎類ヤモイティウスが生き残り、巨大化したものではないかとの仮説を立てている。現存するヤツメウナギのご先祖様にあたる魚で、姿もヤツメウナギによく似ているが、本来はさほど大きくなる種類ではないという点がある。

 他にも現地では巨大化したウナギやチョウザメの誤認説などが挙げられているが、いずれも鳴き声を上げる生物ではない。

 果たして、セルマの正体は何なのか。もしかすると、今度動画が撮影される時こそが、セルマの正体が判明するときなのかもしれない。

 

■関連動画■Loch Ness Monster Migrates to Norway?

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<下は2012年に撮影されたセルマの動画>

http://www.unknownexplorers.com/selma.php