【65】不老不死の薬それとも不吉の象徴? 伝説の巨大肉塊「太歳」

2014年08月29日 12時00分

 前回、ある日いきなり水辺に登場する謎のスライム状UMAとして「オジャッシー」を紹介させていただいた。このオジャッシーは群体として大きく成長したオオマリコケムシが正体だと判明している。

 しかし、今回は、はるか昔から存在し、正体もいまだに不明とされる半ば伝説上の存在のUMAを紹介する。

 その名は「太歳(たいさい)」。

 古代中国の文献にも登場し、近年でも発見の報告がされるものだ。

“もの”と称したのには理由がある。この太歳はとてつもなく奇妙な外見をしているからだ。手も足も何もない、巨大な肉の塊。それが太歳の姿である。種類によっては表面に無数の目が存在するものもあるという。表面の色は基本的には黄色だが、他にも茶や灰、白、黒など様々なものがあるという。

 また、驚異的な再生能力を有しているとされており、表面に傷がついてもすぐに内部から液体がにじみ出て再生してしまうと言われていた。

 中国では「肉霊芝(肉万年茸)」とも呼ばれており、中国の地理書である「山海経」には牛の肝臓に似て、一部を切り取っても元に戻るとの記述がある。歴史書である「史記」には始皇帝が不老不死の薬として求めたと記されている。

 ちなみに太歳の肉は芳香を放ち、非常に美味であるという。

 また、太歳は普段、地中を移動しており、凶事が起こるとされる場所、方角の地下に出現すると言われていた。なので、太歳を掘り当てると不幸が訪れるともされていた。

 このように縁起物とも凶兆ともみなされてきた太歳だが、なんと2000年代に入っても目撃証言が出てきている。

 2005年9月、中国広東省で太歳と思われる肉塊が発見され、中山大学生命科学研究所にて研究がなされ、傷をつけると粘液を出して自己修復を行い、水をかけると吸収する性質を持っていたことが明らかになっている。

 また、2008年に陝西省で発見された太歳は、発見当初は白い球状の塊であったものが2日後には茶色く平べったい形に変形していたという。

 すべてが謎の肉塊、太歳の正体については諸説あるが、新種の変形菌ないしは真性粘菌ではないか、とする説がある。

 南方熊楠が研究していた粘菌とは、変形体と呼ばれる体が移動しながら微生物を摂取するという動物的特徴と、胞子による繁殖という植物的特徴を兼ね備えた生物である。太歳の特徴がこの粘菌に当てはまることから考えだされたものだ。

 今までは迷信や神話のベールに覆われていた太歳にも、科学のメスが入れられようとしている。もしかすると、我々は近い将来、始皇帝も追い求めた伝説の正体を知ることになるのかもしれない。

 

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