毎回世界中の様々な未確認生物を紹介してきている「UMA図鑑」だが、今回は極めつきの変わり種UMAを紹介しよう。

 生息域はなんと大気圏外。体を構成する物質は不明。ただし、ゼリー状ないしはプラズマでできているともされている。すべてが謎の存在、それが「クリッター」だ。

 なお、日本では「スペースクリッター」や「宇宙ホタル」、海外では「アトモスフェリック・ビースト(大気圏の猛獣)」と呼ばれているが、ここでは「クリッター」の呼称で統一させていただく。

 クリッターは通常、成層圏より高度の大気中に生息しているため、普段はあまり目撃されたりすることはない。しかし、何かの弾みで我々の生活圏まで下りてくることもあるとされている。

 このクリッターを初めて発見、撮影したのは米国・カリフォルニア州に住むトレヴァー・ジェームズ・コンスタブル氏。アマチュアの航空史研究家である。

 いわゆる未確認飛行物体には明らかに人工物のようなものもあれば、不規則な動きを見せる発光物体など様々なものがあるが、中でも発光物体系に膨張・収縮をし、形を変え、飛行機のあとをつけるなど、意思を持った生命体にも思える行動パターンを見せるものが存在する。

 彼はこのタイプの未確認飛行物体を研究した結果、「地球の高空に住む未知の生命体である」と結論付けたのである。


 クリッターの大きさは直径わずか数センチから30メートルまで様々。形もアメーバのように自在かつ瞬時に変えることができるため、UFOに誤認されるケースがあると、コンスタブル氏は述べている。

 クリッターの正体には様々な説があるが、コンスタブル氏は太古、高濃度のガスやプラズマに覆われていたころの地球で自然発生したプラズマ生命体であり、密度が希薄な状態では視認できないという特色もあって、人知れず独自に進化してきたものであるとの説を唱えている。

 また、クリッターが生命の終わりを迎えると死骸は地上に落ちゼリー状物質に変化するとも述べている。

 普段目にすることのできないクリッターであるが、コンスタブル氏いわく、機材さえ揃えることができれば誰にでもクリッターは撮影できるという。実際、彼のアドバイスに従って写真に収められたケースもある。

 また、1978年にはニュージーランドで多くの人々にクリッターが目撃されるという事件が発生した。目撃されたクリッターは様々な色に変化し、体の形をスライムのように流動的に数十メートルも変形させたといわれている。

 このように目撃はされているものの、いまだ確実な証拠を得られないクリッターは世界中で研究対象になっており、有名なところではイタリアのUFO研究グループ「GRCU」もクリッターを「プラズモイド」と呼んで調査している。

 現存する生物とはまったく異質の存在であるクリッター。研究が進めばより詳しいクリッターの生態が判明してくるのかもしれない。

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