【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑472】1786年9月14日、激しい嵐があった日の翌朝のこと。英国コーンウォールのポースルベンの浜辺に奇妙な生物が打ち上げられているのを2人の少年が発見した。

 少年たちは難破船が浜辺に打ち上げられていないか、崖の上から小さな砂の入り江を見下ろしていたところ、海岸近くに何か巨大な塊を発見。嵐で打ち上げられた船の横腹かと思って近寄ってみると、今まで見たこともない巨大な生物であった。しかも発見当初はまだ息があったというのだ。 

 謎の生物の体長は頭頂から尾の先まで約14メートル、胴体の最も大きい部分の周囲は約7メートル半。頭は大きく後頭部にトゲがあって、目は緑色で口は大きく、鼻は平ら。首からへそにかけての形状は人間に酷似していた。背中は亀の甲よりも硬く、前足は短くて猿の足のような形状をしていた。後足は約2・1メートル、長さは約1・5メートルあった。

 不気味な生物にすっかりおびえてしまった少年たちは大人たちに報告。村人たちも最初は信じなかったが、ひとまず銛(もり)や手斧などの武器を手に現場に駆けつけた。だが、いざ目にするとおじ気づいてしまい、さらにはその謎の生物が頭をもたげて自分たちの方に向かってくるように見えたため、「この場で仕留めてしまおう」という話になった。そして、村人たちは、よってたかって怪物に攻撃を加えて殺してしまったという。

 地元に古くからある週刊新聞「ヘレフォード・ジャーナル」はこの事件を同年10月に報じている。記事には「この生物の脚は確認できず、腹ばいになって砂から体を少し浮かせているように見えた。この生物について、ある者は人魚だと言い、ある者は鯨だと主張した。しかし、多くの村人は前者の存在を信じず、後者の可能性も低いと主張し、皆途方に暮れてしまった」とある。

 果たして、この生物の正体は何だったのだろうか。当時からプレシオサウルスのような古代の海生生物ではないかと言われていたようだが、巨大な人間のような見た目はまるで現代になって話題になったUMA「ニンゲン」を思わせる。しかし、ニンゲンは都市伝説的な要素が多く、実在に関しては非常に疑わしい側面もある。だが、コーンウォールに漂着した死骸はまさしくニンゲンのようだ。やはり、ニンゲンは実在していたのだろうか?

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