【山口敏太郎の現代妖怪図鑑88】面白すぎて日本中に散らばった「ちん毛ちらし」

2022年05月18日 11時30分

ちん毛ちらし
ちん毛ちらし

 オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第88回は「ちん毛ちらし」だ。

今から十数年前、東京・渋谷で開催されたライブにおいて、とあるミュージシャンが創作妖怪として発表したシモネタ妖怪が「ちん毛ちらし」である。そのライブに筆者は、オカルト業界研究家としてゲスト参加しており、はっきりと覚えている。

 家の中を掃除していると、意外な場所からちん毛が発見されることがある。例えば、冷蔵庫の中とか、台所のまな板の上とか。時には好きな女性から借りた本の中からちん毛が発見されることがある。この場合は厳密に言うとちん毛ではないが…。

 特に、電気のかさの上や本棚の上などは、いったいどうしたらちん毛がそこに舞い上がったのか、理解に苦しむものである。これは妖怪の仕業だとしか考えられない。人間が見ていないところでいたずらをしてちん毛をまき散らす。そんないたずらを趣味としているのが、この妖怪だというわけだ。

 そもそも創作妖怪であるのだが、あまりにも設定が面白すぎて、話が広まってしまった。タレントのケンドー・コバヤシがテレビで発言するなど、芸人のネタ話になるほどの有名妖怪になったわけだ。ちん毛ちらしは、話そのものを日本中に散らしてしまった。

【山口敏太郎】作家、ライター。著書「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」など200冊あまり。テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。ユーチューブでオカルト番組「アトラスラジオ」放送中。

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