【山口敏太郎の現代妖怪図鑑86】姿を見た人間は二度と戻らない…「四つ角婆」

2022年04月27日 11時50分

四つ角婆
四つ角婆

 オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第86回は「四つ角婆」だ。

 四つ角に潜んでいる現代妖怪だ。民俗学では四つ角、つまり辻には不思議な存在が潜んでいると言われている。

 この「四つ角婆」は、特に事故の多い四つ角に住んでいるそうだ。ということは、交通事故を引き起こす妖怪なのだろう。近い妖怪として、トンネルに出没すると言われている妖怪「おいでおいで婆」が想起される。もともとは交通事故の犠牲者であるのかもしれない。

 一方でこの妖怪は「隠し神」系列の性質を持っているらしく、姿を人間に見られた場合、その人間をたちまち隠してしまう。隠された人間は人間世界から姿を隠してしまい、決して見つからないと言われている。

 また、隠し神系列の妖怪は婆が多い。「4次元婆」「紫婆」などが挙げられる。これは江戸時代における人買いの子供を調達する担当者に老婆が多かったことからであろうか。

 そもそも民俗学において、四つ角はもともと妖怪が出る異界であった。辻占いという十字路での会話を聞くことによって、未来を占うことがあるように、四つ角には不思議なことがよく起こるのだ。

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