毎週、世界各地の未確認生物を紹介しているこの「UMA図鑑」だが、今回は多くの人が苦手、ないしは生理的嫌悪感を催すであろう怪生物を紹介する。サッカーW杯が開催中の南米・ブラジルの高地に生息すると考えられている「ミニョコン」だ。

 このUMAの特徴は何といっても、その外見。超巨大かつ極太のミミズなのだ。なお、ミニョコンは現地のつづりでは「Minhocao」と書く。ポルトガル語でミミズを指す「minhoca」から来ているとみられ、現地の発音に近づけるならば「ミニョーサオ」と表記するのが正しいようだ。

 しかし、ここでは一般的に日本で呼ばれるミニョコンで表記を統一させていただく。

 ミニョコンのサイズは数あるUMAの中でも最大クラス。胴回り3メートル、全長は45メートルに達するものもあると言われている。

 このUMAはブラジルの原住民たちの間で伝説とされていた存在である。今まで何もなかった場所にある日突然、巨大な穴が開いたり、巨木が倒れたり大きな溝ができていたりすると、このミニョコンの仕業だとして大いに恐れたという。
 

 また、ミニョコンは地中だけでなく水中でも活動できるとされ、ミニョコンが泳ぐと川の流れが変わるともされている。

 スケールも伝説も桁違いのミニョコンだが、実際にミミズがここまで成長することはあり得るのだろうか。

 実際の記録として残っているものとしては、ミクロカエトゥス・ラピという種の全長6メートルが最大とされている。しかし、胴回りの方はさほどでもなく、せいぜい2センチ程度で長さに比べれば極端に細いといえる(それにしても普通のミミズよりは太いが)。

 また、環形動物であるミミズは非常に軟らかく単純な構造の体をしているため、ここまで大きく成長してしまうと自重を支えきれず潰れてしまうと考えられる。

 しかし、それを見越してか、ミニョコンは普通のミミズとは違い、表面が硬い皮膚で覆われている…つまり、足のないムカデのような体をしていると言われているのだ。ここまでくると生物としてのミミズの特徴からかなり離れてきてしまう。

 さて、未確認生物やそのモデルになった伝説上の生物はサイズが誇張されて伝わっていくことが多い。未知のものに対する恐怖感や畏怖感がそうさせるのだろうが、このミニョコンについても同様に誇張が入って現在のスケールまで巨大化したとすればサイズはもう少し小さく、5〜10メートルほどになるのではないかと考えられる。

 さらには全身を硬い皮膚で覆われているという特徴から、やはりミニョコンはミミズではなく大蛇など、既知生物が巨大化したタイプのUMAにあたるのではないかと考えられる。

 ちなみに南米全土にはミミズに酷似した外見で手足や目が極端に小さく、退化した「ミミズトカゲ」という生物も存在する。このミミズトカゲはミミズのごとく地中で生活するようになったトカゲであり、目も小さく手足がないので本当に“うろこのあるミミズ”のように見える。

 このミミズトカゲが何らかの要因で非常に大きく成長し、地中から顔を出したら? 何も知らない人は「ミミズの怪物が出た!」と思うのではないだろうか。

 南米の熱帯雨林はいまだに新種や未発見の生物が多く生息しているという。ひょっとしたらミニョコンも、いまだに人跡未踏の奥地でひっそりと暮らしているのかもしれない。

■関連動画■

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(日本に生息する巨大ミミズ「カンタロウ」ことシーボルトミミズの動画)