【山口敏太郎の現代妖怪図鑑63】恐怖!首なし暴走族 福岡県英彦山の天狗に首をはねられた?

2021年10月27日 11時30分

首なし暴走族(東スポWeb)
首なし暴走族(東スポWeb)

 オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第63回は「首なし暴走族」だ。

 深夜に首都圏で暴れ回る暴走族がいる。よく見ると全員首がないという…。

 この「首なし暴走族」は、もともと福岡県において天狗伝説が残されている英彦山という修験道の山で目撃されたのがルーツのようだ。あまりの暴走ぶりに、怒り狂った天狗が彼らの首をはねてしまったのであろうか。

 この手の首なしで出てくる亡霊の話はよく語られるが、一番有名なのは「首なしライダー」だろう。何らかの事情でヘルメットごと首がもげてしまった人が霊になってさまよい続けているというものだ。1970年代から80年代にかけて、この首なしライダーの伝説は多く語られた。だが、集団で出たというのは英彦山が最初である。

 さらにさかのぼっていくと、江戸時代に柴田勝家の北ノ庄があった福井県福井市において、「首なし武者」が練り歩いたという話があった。騎兵と歩兵で構成されており、この集団を見たものは息を止めないと命を取られるといわれた。そのため、この集団と行き会ってしまった生者は息を止めてその集団が通り過ぎるのを待ったそうだ。

 これは豊臣秀吉による殺りくで命を落とした柴田勝家家中による首なし武者の行列だが、これが現代の首なし暴走族になっている可能性が高い。
 もう一つ、気になる話がある。かつて暴走族の被害に悩んだ一般市民が、暴走族に復讐するためにピアノ線を道路に張って待ち構えていたことがある。結局、暴走族ではなく、他の人物が引っかかってしまい、転倒するという事故に発展した。

 このような悲しむべき出来事の積み重ねが首なし暴走族の成立に深く関与している可能性が高い。

【山口敏太郎】作家、ライター。著書「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」など200冊あまり。テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。ユーチューブでオカルト番組「アトラスラジオ」放送中。

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