【山口敏太郎の現代妖怪図鑑60】自動車を追いかけ回す60キロババア

2021年10月06日 11時30分

60キロババア
60キロババア

 オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第60回は「60キロババア」だ。

「60キロババア」は、速度オーバーの「100キロババア」「ターボババア」のアンチテーゼとして生まれた妖怪である。

 60キロババアは、いわく付きの道路上に出現し、通りがかった自動車を追いかけ回すと言われている。仲間の妖怪に「40キロババア」などが存在する。

 しかし、得てして妖怪というものは制約やルールに縛られやすい。60キロババアは60キロという制限速度に縛られている。普通自動車で十分に振り切れるスピードである。

 60キロババアの正体として、筆者は友人から興味深い話を聞いたことがある。正体はなんと、鹿だというのだ。鹿が近年増えすぎ、必然的に山から人里に下りてくることが多くなった。深夜の山道に多数現れるという報告が上がっている。

 鹿をババアと見間違えることなどありえないとお思いの方もいるだろう。しかし、深夜の山道で鹿と遭遇した恐怖体験を思い浮かべてもらえばおのずと分かるだろう。

 鹿を見慣れていない現代人からすれば、白っぽい物体が高速で移動しているようにしか見えないからだ。だいたい、鹿が走るスピードが60キロだと言われている。鹿が木立の中を走り回る姿を60キロババアと表現したのかもしれない。

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