【UMA図鑑(45)】沖縄で目撃証言が多発する妖怪「キジムナー」は実在するのか?

2014年04月11日 12時00分

 今回紹介するのは昔から沖縄に伝わり、現在でも目撃されている妖怪「キジムナー」だ。基本、妖怪的性質が強いが、沖縄県民の多くが“目撃した”と証言しており、目撃していない沖縄県民でさえも、身内の体験談を何度も聞いているという妙にリアルなデータの多い怪物である。

 別名を「ブナガヤ」「セーマ」とも言い、木に住む精霊であるとされている。

 キジムナーが住むとされる樹木は主にガジュマルの古木であることが多いが、他にもアカギやフクギなど種類は問わず大きな樹木には必ずキジムナーが住んでいるとの話も伝わっている。

 姿はあまり大きくなく、サルに似ており全身赤い毛で覆われているという。近隣の鹿児島県奄美群島に伝わる「ケンムン」も同様の妖怪であると考えられているし、本土に伝承されている「河童」「淵猿」との関連性も指摘されている。

 いたずら好きだが、人間に対しては比較的友好で、キジムナーと仲良くなると大漁が約束されるそうだ。キジムナーの好物は魚の目、それも左目のみを食べると言われている。ゆえにキジムナーと友達になってから漁をすると、船があふれんばかりに魚が取れるが、全て魚の片目がなくなっている。これは手伝った代わりに好物の魚の目を食べたとみられている。

 また、一度仲良くなると毎日のように漁に誘うので、最終的には人間とトラブルになる。キジムナーが嫌うものはタコとオナラ、熱い鍋蓋などであり、住み家の木を傷つけられることも苦手である。

 キジムナーとの関係を絶ちたい時はキジムナーの住む木の下でオナラをするか、タコを渡す、キジムナーの住む木に釘を打ったり、放火するなどして傷つけるといいとされる。しかし、むげにされたキジムナーは必ず手痛い仕返しし、家が没落したり死に至るほど祟ることもあったという。このような禍福の性質を持つことから、「座敷わらし」との関連を指摘する声もある。

 恐ろしいところもあるが、人間に対しては良き隣人であるキジムナーは、その特徴から本土の河童とは類似点が多い。河童も、ある地域では「冬になると川を離れ、山に入って山童というサルのような妖怪になる」「河童の体色は赤い」という説があるため、実は本土と沖縄で同じ妖怪を別の名前で読んでいたのではないか、とも考えられている。

 さて、キジムナーは実は現在も目撃者の多い妖怪であったりする。子供の目には見えると言われており、現代でもキジムナーを見た、子供のころに見たことがあるという人は多い。

 筆者が大学時代に沖縄出身のバイト仲間の女性から聞いた話によると、少しでも隙間があれば入ってきていたずらをし、その姿はホウキのような姿をしているという。

 また、筆者が沖縄取材時に調べたガジュマルの大木は、道路のど真ん中にあり、どけようとするとキジムナーの祟りがあるのでどけられないという話であった。

 また、キジムナーの足跡を見るという遊びも伝わっている。静かで暗い場所に円を描き、白い粉をまいてから円の中心に線香を立て、呪文を唱えてから隠れて20数えると、粉の上にキジムナーの足跡が付いているというのだ。

 また、家に大きな木のある人は金縛りになりやすい。これはキジムナーが降りてきた時に人を動けなくさせているのだ、とする話も伝わっている。

 現在でも人々の身近にいるというキジムナー。運が良ければ、あなたも旅行先で会うことができるかもしれない。

 

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