【山口敏太郎の現代妖怪図鑑44】真夜中に鳴り響く怪しげな足音「カランコロンのお化け」

2021年06月16日 11時30分

カランコロンのお化け

 オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに、現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げていく。第44回は「カランコロンのお化け」だ。

「カランコロン、カランコロン」…真夜中に往来を歩く足音が鳴り響く。いかにも怪談になりそうな設定である。

 これは福岡県で昭和初期に語られていた都市伝説である。怪しげな音は毎晩のように聞こえた。その音の主は、全く正体が判明しなかった。そのうち、足音が聞こえなくなったといわれている。この話は「博多に強くなろう 福岡シティ銀行編」という本に掲載されていた。終戦直後の日本において流布した貴重な怪奇談である。

 深夜に響く足音というのは不気味なものだ。アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」や小説「牡丹灯籠」などでは、履物の音が効果的に使われているが、音を出す張本人が定かではない現象というのは、いつの時代も臆測を呼びやすいものである。

 伝承業界では「パタパタ草履」「ベトベトさん」などが連想されるが、いずれも後をつけてくる妖怪である。後をつけてくるだけで、特に悪さをしないのだが、それだけで十分に不気味なことである。

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