【山口敏太郎の現代妖怪図鑑29】「ベッドの下の鎌男」千年前にも存在した?室内に潜む恐怖の存在

2021年02月24日 11時30分

ベッドの下の鎌男

 オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに、現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げていく。第29回は「ベッドの下の鎌男」だ。

 ベッドの下に潜んでいる男で、人間なのか霊体なのかはっきり分からない存在だ。ベッドの下という、民俗学的には“境界”と呼ばれる場所に潜んでいるのが特徴である。別名として「ベッドの下のナイフ男」「ベッドの下の刃物男」などがある。

 都市伝説で語られるストーリーは次のようなものである。友人の家に泊まりに行った若者(女性の場合が多い)が、そろそろ寝ようということになって一度は横になったものの、突然立ち上がって「コンビニに行きたい。一緒に来て」と言いだす。そこで家主の友人も仕方なくついてくるのだが家の外に出ると、「横になった時にベッドの下に鎌を持った男が潜んでいた。気づかないふりをして外に出てきた」と告白するのである。

 実は平安時代にも同じような話が残されている。在原業平の逸話によると、都から逃げてきて一軒の廃屋に泊まった。すると室内にあった甕(かめ)の中から鬼が一瞬だけのぞいた。気づいて騒ぎたて、襲われるといけないので「ちょっと外の馬の様子でも見てくるか」ととぼけながら、何とか逃げ出したという話が残されている。

 これなども明らかに同じモチーフである。人間が恐怖を感じる状況設定は千年たっても同じである。

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