日本全国で目撃され、地方によって呼び名の変わる未確認生物「ツチノコ」。今回紹介する「トックリヘビ」もその数ある異名の一つなのだが、ここでは徳島県の勝浦町で発見されたツチノコの亜種(?)と思しきヘビの呼称として便宜的に使用する。

 1989年6月30日、徳島県勝浦郡勝浦町にて、地元住民のS氏が畑で丸く輪になっている不気味なヘビを発見。捕まえようとすると、そのヘビはまるでビール瓶のように太くなって素早く逃げ出そうとしたが、何とかして捕獲に成功した。ちなみにこの時、捕獲した個体はオスであった。

 さらに翌年、S氏はまたも奇妙なヘビに遭遇する。場所も前回ヘビを捕獲したみかん畑から数百メートルほどしか離れていないところで、再び捕獲に成功したという。今度は馬頭のヘビで9か月間の飼育にも成功。2度にわたり産卵を行い、合計30個も産んだという。

 この謎のヘビは現在も死骸をホルマリン漬けにした状態で保管されているが、その体長は約80センチ。小さな頭から細い胴が20センチ、その後に直径6〜7センチほどの太い胴が約40センチほど続き、尻尾はネズミのように細くなっている。

 このヘビは結局、写真ではヤマカガシの変種と判断されたため、厳密にはツチノコではないようである。実際、同種のヘビは三重県白山町でも発見されている。

 しかし、このような奇怪な姿のヘビがいまだに発見されずに我々の側に生息している可能性もないわけではないのである。