イングランドやスコットランド、アイルランドは各地に沼沢地が存在しており、それぞれの湖に謎の怪物の伝説が存在していると言っても過言ではないほどだ。ネス湖の「ネッシー」を代表格として、未確認生物が目撃されるという話がある湖も多い。

 今回紹介するのは、アイルランドのケリー州キラーニー国立公園に存在する湖に生息する「マッキー」という生物だ。

 キラーニー国立公園にはレイン湖とマックロス湖という、一部がつながっている大きな湖が存在している。マッキーはマックロス湖側によく姿を現すという巨大な未確認生物だ。

 しかし、マッキーはこの地域の未確認生物と少し違い、民間伝承というバックボーンを持っていない。ネス湖のネッシーが代表的だが、この地域では湖に出る怪物の伝説が多少なりともあるものなのだが、マッキーの目撃例が出始めたのはつい最近、21世紀に入ってからなのだ。

 2002年9月、地元の科学者らを中心とする研究チームがソナーを用いて湖の魚の個体数の調査を実施した。この時、ソナーの調査結果で、水中に謎の大きな物体が記録されたのである。にわかにこの湖にも、ネス湖のネッシーに似た何らかの巨大生物がすんでいるのではないかという仮説が起こり、以降、多くの人がこの湖に注目するようになったのだ。

 ソナーから導き出された影は、およそ体長80メートルにも及ぶヘビのような生物。生物学者らはソナーでの調査結果によって「この湖はかなり古いもので、生息している魚類相も古く、何らかの古生物や古代の魚類がひそかに生息していてもおかしくない」と語っている。

 その後、マックロス湖を中心にマッキーを見つけるために足を運ぶ人も増え、「湖を泳ぐ謎の生物」の姿らしきものを動画で撮影することに成功した人も出てきた。

 この記事に掲載されている動画が問題のマッキーを捉えたものだという。その正体はいまだ明らかになってはいないが、現代の科学でようやく発見され、今でも謎のままである生物がいるというのも興味深い話だと言えるのではないだろうか。