【山口敏太郎の現代妖怪図鑑26】「チブスマ」寒天ボディーに人間を取り込む

2021年02月03日 11時30分

チブスマ

 オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに、現代の〝百鬼夜行絵巻〟を作り上げていく。第26回は「チブスマ」だ。

 妖怪「チブスマ」とは、夕暮れ時に山間部に出没する交通遮断系の妖怪だ。人間の行く手に立ちふさがり、大きさは縦と横それぞれ2メートルくらいで、厚みはあまりない。色は薄いピンク色で向こう側が透けて見える。近くで見るとゼリーか寒天のような材質のようだ。

 小刻みにブルブルと震え、生臭いにおいがする上、内部には人間のようなものが埋め込まれているように見える。表面には血管のような赤い筋が走っている。地元では、入ってはいけない日に山に入ってしまった人間が閉じ込められていると言われている。

 今回取り上げた妖怪「チブスマ」は、「フスマ」と「ヌリカベ」の性質が交ざり合った亜種の妖怪ではないだろうか。なお、「山に入っていけない日に入山した人間が罰を受ける」という禁忌は、妖怪伝説としては正当な設定であり、なかなか渋いストーリー展開である。

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