グーグルマップ、グーグルアースなどの衛星写真には、奇妙なものが写り込むことがある。その月面版であるグーグルムーンに巨大なエイリアンが写っている!?という情報があった。

 2014年7月、「wowforreel」というユーザーがユーチューブに、とある動画を上げた。ある時、グーグルムーンを見ていたところ、北緯27度34分26秒、西経36度4分75秒の位置に人が立っているような黒い物体と、そこから伸びる影のようなものを確認したというのだ。なお、周囲の対象物などから判断すると、人影の大きさは40~50メートルになるようだ。そのサイズからこの人影は「月の巨人」とも呼ばれるようになった。

 宇宙人といえば、今ではグレイ型エイリアンが一般的だが、時代をさかのぼれば火星人や金星人と、太陽系内の惑星から来ているというものが定番だった。また、常に地球から見ることのできる月は昔から、人が住んでいるとする伝承も多かった。伝承はやはり本当で、宇宙人が月に存在していたのだろうか?

 だが、2年ほどたつとこの月の巨人の姿はグーグルムーンから消えてしまった。次第にブロックノイズが目立つようになり、はっきりした人影が浮かび上がらなくなってしまったのである。そして19年にはきれいさっぱり消えてしまったのである。そこから騒動が大きくなる前にNASAとグーグルが先手を打って、不鮮明な画像が表示されるように処理したのではないか、とも噂されていた。

 ところが、最近になって、1969年のアポロ11号が月面で撮影した写真の中にも巨人が写り込んでいた?という事実が発覚した。問題の動画は月面の様子をとらえた古めかしい映像で、背景の一部にグーグルムーンにあった月の巨人と同じポーズをとる大きな人影らしきものが写り込んでいたのである。

 つまり、この月の巨人は数十年にわたって月面にたたずんでいたことになる。UFO研究家の間では、アポロ計画の宇宙飛行士らは月面でエイリアンやUFOを見たそうだが、この月の巨人がそのエイリアンだったのだろうか?

 謎めいた月の巨人の騒ぎが大きくなったため、なんとNASAの研究者らは実際に検証を行うことにした。ところが、画像解析の結果、グーグルムーンで確認できた月の巨人は月面に存在しているものではないことが判明。巨人はネガのほこりやひっかき傷が人のような形状に見えただけ、という見解を明らかにしている。

 それではアポロ11号のカメラが捉えていた月の巨人の姿は何だったのか。こちらは15年9月にユーチューブやSNS上に登場して話題になったものだが、初出のユーチューブチャンネル「MeniThings」は、映画監督であるアリストメニス・ツルバ氏の映画製作会社のチャンネルでもある。つまり、グーグルムーンで話題になった月の巨人の話をもとに、プロが作成した作品にすぎなかったのだ。

【関連動画】
Google Moon
https://www.youtube.com/watch?v=7QdYvelStn8
アポロの動画に写った月の巨人
https://www.youtube.com/watch?v=Yy6t8oJ0olY