英国には、神出鬼没の謎の大型ネコ科生物の姿をした未確認生物「エイリアン・ビッグ・キャット(ABC)」が実在すると言われている。ただし、一説には飼育されていたヒョウなどの大型のネコ科の生物が逃げ出し、野生化したものとも言われているが、英国において越冬や繁殖などが可能なのか問題視されていた。ところが、近年になってABCの活動が頻繁に確認されるようになり、人家の近くで目撃される機会が増えてきたのである。

 昨年11月末、英国の西ヨークシャー州ハリファックスの町で、数日間にわたって各地の防犯カメラにABCらしき大型のネコ科生物の姿が捉えられるという事態が発生した。これは同地のコミュニティーにある歴史的なホールの防犯カメラが、建物の外を歩き回っている大きなネコのような生物を撮影していたのが始まりだった。

 それからほんの数日後、同じ生物らしきものの姿を捉えた動画がネット上に登場、今週初めには3番目の動画が公開された。こちらは屋外に設置された防犯カメラの映像で、まるで黒豹のような大型のネコ科の生物が車のそばを歩いている様子が確認できる。ネコはもちろん、大型犬よりもさらにひと回りは大きく見えるものだった。

 また、11月半ばにはノースウェールズのコーエドタロンにあるウッドピット自然保護区を愛犬とともに散策中だった男性が、グリッチ城でABCとおぼしき猛獣を目撃している。目撃した時はすでに周囲が暗くなっており、茂みの中から物音がしたので、手にしていた懐中電灯をそちらに向けたところ、その中から黒く大きなネコ科の生物が姿を現したのだという。彼も驚いたが、連れていた1歳のラブラドルレトリバーもおびえていたため、すぐにはその場を動くことができなかったそうだ。この時男性は散歩の様子をスナップチャットで動画撮影し、パートナーにリアルタイムで送っていた最中だったため、その姿を動画に捉えることに成功していた。男性によると、問題の生物は愛犬より2~3倍の大きさはあり、「動物園のジャガーやピューマによく似ていたが、真っ黒だった」そうだ。

 こうした目撃例の増加について、20年来にわたってABCをはじめとする英国内で確認されている未知の大型ネコ科生物について追跡調査を行っているローダ・ワトキンズ氏はある推測を語る。これらの目撃報告は1976年に英国内で危険野生動物法が施行された後から増え始め、現代に至るまで続いていることから、ペットとして連れてこられた後に野生化した大型ネコ科生物が互いに交雑したことで数を増やし、現在では繁殖可能な数の個体群を得ているのではないかというのだ。

 もちろん推測でしかないが、最近の目撃事例の多さを考えると納得のいく説である。だとすると、ABCはもはや英国内ではUMAというより、外来種とでもいうべき立場になっているのだろうか。

【関連動画】Big black cat found in Halifax & piece hall

https://www.youtube.com/watch?v=M9WixaBuKmY