日本などアジア諸国でドラゴンといえば、2本のツノに長い蛇体の竜が伝統的な姿として広く知られているところだ。だが、未確認生物としては欧州のドラゴンよりは目撃例が少ないものでもある。もっとも、ドラゴンの事例もCG動画を本物であるとしている可能性が高いが…。

 そんなアジアの幻獣「竜」そのものと言うべき謎の生物の死骸がスペインに漂着して騒動になったことがある。

 場所はスペイン南部アンダルシア州ビジャリスコのルイ・マレー海岸。2013年8月15日に海岸を散歩していた女性が巨大な生物の死骸らしきものが漂着しているのを発見した。「アンダルシアのドラゴン」だ。

 死骸の大きさは約4メートル、巨大なヘビのような体をしており、腹部にはヒレがあった。全体は白く、グロブスター(海岸に漂着する謎の肉塊)に似た形だったとも言える。

 しかし、何より目を引くのが死骸の頭部だ。頭部からは40〜50センチほどの大きさがある2本のツノが生えていたのだ。形状は水牛のツノのようで、分析の結果、骨という結論が出ている。

 この生物の死骸については、その見た目から首長竜などの絶滅した水生爬虫類という説が出ていた。それ以外にもリュウグウノツカイなどの深海魚、サメの突然変異体説も出てきている。

 事件発生当時、この未確認生物について東スポは複数の専門家や海洋生物学者のコメントを引用する形の記事を掲載。「ツノのように見えるものは、魚類の胸ビレを支える肩甲烏口骨(けんこううこうこつ=人間の肩甲骨に該当する骨)ではないか」や「リュウグウノツカイの頭部に存在する長い背びれの根元がツノのように見えただけではないか」といった意見が紹介された。

 いずれにせよ巨大な「ツノ」の説明がつかず、謎のままとなっているこのUMA。もし、本当に「頭部にツノを持つ未知の生物」が存在したとするならば、昔の人々はこの生物を見て竜の姿を夢想していたことになるのではないだろうか。

 なお、発見当時は白い竜のように見えるため、ジブリ映画「千と千尋の神隠し」に出てきたハクが竜に変じた時の姿のようだ、とする声も上がっていたようだ。