【UMA図鑑(32)】紙幣にもなった南米の人気水棲怪物「ナウエリート」

2014年01月10日 12時00分

 水棲UMA「ナウエリート」は、南米のアルゼンチンでは知名度が高く最も有名なUMAの一種であり、別名「パタゴニアのプレシオザウルス」と呼ばれている。

 アルゼンチン南部のパタゴニア・バリローチェ地域は巨人伝説の残る風光明媚な場所だが、同所にある透明度の高いナウエルウァピ湖にナウエリートは生息すると言われている。

 その外見はネッシーに似た姿であり、体長は5〜40メートル。主に夜の湖で活動すると言われており、体は牛のような大きさで、小さい頭部や細長い首、コブのある蛇のような身体が印象的であるらしい。

 現地に伝承されるマプチェ族の神話の中にも登場しており、かなり古い時期から目撃されてきた怪物のようである。現代においても、アルゼンチンのメディアのスターとなっており、時折その動画や写真がニュースで流されている。

 このナウエリートが世界的に有名になったのは、2006年4月17日に、サンカルロス・デ・バリローチェに社屋を構えるエル・コルディレラーノというローカル新聞社に、ナウエリートの写真が3枚持ち込まれた事件がきっかけだった。

 持ちこんだ人物は匿名希望の男性であると言われており、身元は定かではない。男は「面倒なことに巻き込まれたくない」と言い残し立ち去った。この写真が世界中に配信され騒ぎが広がった。

 だが、この写真に関しては懐疑的な意見が多い。およそ流木に加工を加え、ナウエリートに見せかけているだけではないかと推測されているのだ。その証拠に写真を見ても水面の高さや波が変化しているだけで、ナウエリートと思しき怪物はまったくポーズを変えていない。

 どちらにしろ、アルゼンチン国民にとってはアイドル的存在であり、日本で言うと河童やツチノコのような感じである。いまだに人気も衰えず、新聞や絵本、ぬいぐるみになっており、旧1ペソ札には湖面から首を突き出すナウエリートがデザインされていた。UMA界広しといえども紙幣に描かれた“豪の者”は、ナウエリートをおいては他にはない。

 19世紀から目撃事例があると言われているが、1910年、ジョージ・ギャレットが目撃した事例が歴史上初めての詳細な記録である。彼は湖畔から数百メートル離れた湖面に浮上しているナウエリートを発見したが、その体長は約5〜7メートルであり、水面からは首を2メートルほど出していたとされる。

 また、ブエノスアイレス動物園は1922年以来、目撃証言など存在の証拠を収集し研究しているが、間接的な証明しかできていない。1922年、ブエノスアイレス動物園のディレクター、クレメンティ・オネリー博士は正体不明の巨大な足跡と、何者かによってかみ砕かれた茂みや下草の報告を受けている。

 さらに現地のテレビ局サイファイチャンネルはナウエリートの存在について調査している。なお、マーティン・シェフィールドという名前のアメリカの金探鉱者は「白鳥のような巨大な首を持ち、ワニのような体を持っている怪物が湖に存在する」と証言している。

 このナウエリートの正体に関してはいくつもの説が出ている。巨大なウナギに近い生物だという説。また、60年間近く付近で連続して行われてきた核実験によって生まれた突然変異の生物だという説。他にも古代に生息していたイクチオサウルス説。古代クジラ説。プレシオサウルス説などがある。変わった仮説では、政府が隠す潜水艦説、ただの流木説なども唱えられている。

 ナウエリート、南米の熱いUMAをぜひ覚えてもらいたい。

 

■ナウエリート動画■

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