未確認生物の代表格といえば、スコットランドのネス湖に生息するといわれている「ネッシー」だろう。首長竜に似たシルエットから古生物の生き残りではないかと考えられており、世界各地の湖で同様の生物が確認されると、ネッシーにあやかった名前がよく付けられたりした。

 そんなネッシーと名前が非常に似ている未確認生物もいる。シベリア地方、ロシアとカザフスタンの国境に近いノボシビルスクのチェイニー湖に生息しているとされる「ネスキー」だ。

 ネスキー自体の存在が明らかになったのは旧ソ連時代だったという。目撃証言によれば、ネッシーのような長い首をしているとも、巨大なヘビのようだったともされている。また、大きなヒレと尾があったとする証言もある。

 ここまではネッシーやその他の湖に出る未確認生物と変わらないが、ネスキーには他の未確認生物とは決定的に違う特徴がある。それは非常に狂暴であり、釣り船を襲って人間を湖の中へ引きずり込むという点だ。

 2000年代に入ってからも被害は出ており、2007年から3年間ほどで19人もの人が行方不明になり、唯一、岸に打ち上げられた死体には巨大な歯で食いちぎられたと思われる痕があったという。

 2010年7月には59歳の男性がネスキーに襲われた。「私は浜辺から約300ヤード(約274メートル)離れた所に彼と一緒にいた」と現場にいた漁師は語る。

「彼は餌の仕掛けに何か大きなものが引っ掛かったため、それを外そうとボートの縁に立った。だがその直後、それは船を転覆させるほどの力で引っ張ってきた。私は彼とともに湖に投げ出され、海岸まで泳いだのですが、彼はそのまま引きずり込まれてしまったのかもしれない」

 この時、行方不明になった漁師の遺体はまだ見つかっていないそうだ。

 チェイニー湖では3年前にも、32歳の男性がボートを転覆させられて行方不明になっている。転覆する瞬間を目撃していた人によれば、湖の波は静かで天気もよく、転覆するような原因はなかったという。

 深さのあるネス湖と異なり、チェイニー湖は深さ23フィート(約7メートル)以下の比較的浅い湖で冬には凍結し、夏は暖かく観光地として人気がある場所でもある。観光客が増えたことが被害の増加につながったのだろうか?

 いずれにせよ、正体も、なぜ人間を襲うのかについても不明なため、地元の人々は専門家による生体調査が必要ではないかと考えているようだ。

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