
現在、海外を中心に注目を集めている奇妙な未確認生物がいる。一見、田舎などで今でも見られる公共放送用のサイレン塔を思わせる構造物のようだが、鉄さびの浮いた鉄骨を思わせる細い体に長い手足。頭部には左右を向いた巨大なサイレン。これが近年海外で話題になっている怪人UMA、「サイレンヘッド」だ。
サイレンヘッドは人里から少し離れた、里山や墓地などに現れるという。初めはただそこに立っているだけで、使われなくなったサイレン塔のようにしか見えない。
しかし、人間を認識すると突如、奇妙な〝放送〟を流し始める。その内容はさまざまで、聞き取りにくい時もあるが、遭遇者の死亡する日時を秒単位でしゃべったり、謎の会話の断片やクラシック音楽、通常のサイレンに似た音を発するという。
そして、獲物として認識した人を高速で追いかけてくるのだとか。大きさは約12メートルと長身で、サイレンや鉄骨といった機械や金属の集合体に見えるが、体は有機物であり頭部のサイレンの中には人間の口らしきものがあるそうだ。
このサイレンヘッドを初めて目撃し、撮影に成功した人によれば、この巨大な人型の物体は古い墓場からゆっくりと立ち上がり、奇妙な〝声〟を発しながら彼らの方に迫ってきたという。
目撃証言はその後も米国を中心に報告されており、ネット上にはこの怪人UMAに遭遇した人によって撮影された写真や動画が上げられている。機械と人間を融合したような見た目も相まって、非常に不気味かつ新しいUMAと言えるだろう。
…と、もっともらしいことを書いたが、残念ながら怪人UMAサイレンヘッドは全くの創作である。米国発の怪人UMAである「スレンダーマン」しかり、不気味な写真画像と体験談付きでネットに登場した完全な個人の創作物なのだ。
ホラーアーティストのトレバー・ヘンダーソン氏が自身のツイッターで、2018年8月20日にネタとしてサイレンヘッドの写真と体験談を投稿。不気味な姿に想像の余地のある奇妙な特徴などが海外で人気を集め、やがてユーチューブやTikTokにもっともらしい動画が投稿されたことで、どんどん人気を増やしていった。
現在では追いかけてくるサイレンヘッドから逃げる、というホラーゲームなども有志の手によって作成されているようだ。
しかし、完全な創作からスタートしたにもかかわらず、中には「本当にサイレンヘッドに会った」という報告も出てきているという。スレンダーマンしかり、本当によくできた怪談や妖怪は実体化してしまうものなのだろうか?
【関連動画】Siren Head- Horror Short Film
https://www.youtube.com/watch?v=zrkB1HVpz5k