【山口敏太郎の現代妖怪図鑑7】薄暗い峠道を歩くアリクイ女

2020年09月20日 11時00分

アリクイ女

オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊、現代人が目撃したモンスターなどなどを記し、現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げていく。第7回は「アリクイ女」だ。

「アリクイ女」の話は、筆者がユーチューブで行っている「ATLASラジオ」の常連リスナーであるコロルさんから投稿いただいたものである。コロルさんの大学時代の同級生が高校時代に目撃したということだ。

 1992年ごろ、岡山市の女子高生に起きた出来事である。放課後に友達と遊び、暗くなってきたので、家に帰ろうと自転車に乗った。自分の家までは山越えしなくてはならない。

 昼間でも薄暗い峠道を一人で上っていると、はるか前方に女の人が歩いているのが見えた。同じ方向に向かっているようだ。やがて、その山の坂道を上り切ると、今度は下り道になった、女子高生はようやくその女の人に追いつき、その顔を見た。

 体は普通の人間だが、顔がアリクイのように“びろ~ん”と上下に伸びていて、さらに口の中から舌も長く突き出ていた。恐怖で全身が固まった女子高生は、必死に自転車をこいで逃げ出した。幸い「アリクイ女」は追いかけてくることはなかったという。顔がアリクイのようになっている女とは、妖怪以外の何物でもない。

 アリクイのようにとがった口といえば、妖怪「大ふき」(別名「火ふき」)が思い当たる。熊本県八代市に所蔵される松井文庫「百鬼夜行絵巻」に描かれる妖怪と酷似しているのが大変興味深い。