いまだに人の手が入っていない自然の多いアフリカには、未知の生物が多いとされている。それは普通の動物だけではなく、未確認生物も同じだ。

 実際、アフリカには「モケーレ・ムベンベ」や「ナンディ・ベア」など、さまざまな未確認生物が生息しているとみられる。あまりにも多くの未確認生物に関する証言があるため、いずれアフリカのどこかで本当に未確認生物が発見されるのではないかと期待してしまうほどだ。

 そんなアフリカの未確認生物の特徴には、いずれも「現代では既に絶滅してしまっている」恐竜などの古代生物に酷似しているものが多いという点がある。

 今回紹介する「ディンゴネク」もその一つだ。

 ディンゴネクはアフリカのコンゴやガボン、カメルーンなど西アフリカ地方の主にジャングルに昔から生息しているとされている。体長は3〜4メートルほど。全身は灰色、なめらかな皮膚で覆われているとも、センザンコウのようなウロコがあるとも言われている。

 首の短いゾウのような姿をしているそうで、その全体像はさながら陸に上がったセイウチのようだという。なにより特徴的なのは額から生えた一本の巨大な角で、尻尾はサソリに似ており、猛毒も持っているとされている。

 ディンゴネクは非常に気性が荒く、水辺でカバやワニと縄張り争いになった際は相手に襲いかかると言われている。そのため、現地の人々にも恐れられており、むやみに刺激したり、縄張りに近づかないように気をつけているのだそうだ。

 ディンゴネクの伝説は昔から存在したようだが、1900年代には「実際に目の当たりにした」という目撃証言が多数報告されている。ジャングルで巨大な足跡を発見、追跡したところ、サイに似た謎の生物と遭遇したという証言も存在している。

 果たして、このディンゴネクの正体は何なのか。姿や行動からアルマジロやゾウなどの誤認という説や、サーベルタイガーやモノクロニウスなどの角竜の生き残りではないかとする説も出てきている。

 だが、これらの生物は目撃されている地方に生息していなかったとされており、またディンゴネク自体の目撃証言も伝聞が主で非常に少ないため、判断はつきかねるものとなっている。

 アフリカには同じように角の生えたUMA「エメラ・ントゥカ」が生息しているとされている。このUMAも気性が荒く、また地域や部族によって「チペクウェ」や「アセカ・モケ」「ンガンバ・ナマエ」など多数の名前で呼ばれている。もしかすると、ディンゴネクもこれらの「角の生えたUMA」の異名の一つなのかもしれない。