【山口敏太郎の現代妖怪図鑑5】100メートル3秒で追いかけてくる「口裂け女」

2020年09月06日 11時00分

口裂け女

 オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊などなど、現代人が目撃したモンスターなどなどを記し、現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げていく。第5回は「口裂け女」だ。

 昭和を代表する現代妖怪で、岐阜県が発祥だと言われている。後に京都、名古屋など全国へと波及した。「口裂け女」は沖縄県には伝わっていないとされているが、沖縄県育ちの漫画家・山咲トオル氏によると、沖縄にも「口裂け女」の伝承が残されていたという。

 突如、道端に現れ「私ってきれい?」という質問を投げかけ、子供たちが「きれいです」と答えると「これでも~?」と言ってマスクを取り、子供の口を切り裂くと言われた。その耳元まで裂けた口の誕生は、整形手術の失敗であると言われている。他にも100メートルを3秒で走るとか、実は三姉妹であるとか、ポマードという言葉を怖がるとか、様々な設定が付け加えられている。

 ポマードというのは整髪料のことだが、失敗となった整形手術を行った医者がポマードをつけていたから、恐れているという。

 しかし筆者は、鬢(びん)付け油は魔物を撃退する効果があるとされたものが、現代ではポマードに置き換えられたと推論している。したがって「口裂け女」に襲われた時は、化粧品店に逃げ込むのが確実とされた。

 また、なぜか「3」という数字が好きで、三鷹や三軒茶屋によく姿を現したといわれる。

 現在、コロナの蔓延によりマスクが一般的になった。しかし、昭和のころはマスク=異人(まれびと)の証しであったのだ