様々な未確認生物を紹介してきたこのUMA図鑑だが、今回は少し変わった怪人型UMAを紹介したい。海外で近年目撃証言が多発している「BEK」、Black Eyed Kids(ブラック・アイド・キッズ)こと「黒い目の子供たち」だ。

 人間ならば必ず黒目の周りに白目があるが、BEKの目はすべて真っ黒なのである。いわゆるグレイ型エイリアンの目を想像していただくと分かりやすいかもしれない。

 姿形は人間そっくりで大きくても10代の少年少女の姿をしているが、極端に感情表現がなく、何を聞かれても答えないか、非常に反応が薄いという。どう対応していいか分からず困惑していると、急に凶暴化して人間とは思えない力を発揮し襲いかかってくる。彼らは神出鬼没であったり、地下鉄のトンネルの奥から出てきたという話もあるため、幽霊のような存在ではないかともされている。

 BEKの初の目撃事例は、1998年にジャーナリストのブライアン・ベテル氏が駐車場で目玉の黒い2人の子供に遭遇した事件である。黒い目玉の子供たちは、車で家まで送ってくれと頼んできたが、一種異様なムードを察知したベテル氏が拒否すると、強引に車のドアを開けようとしたらしい。

 その後も米国を中心に目撃例が増えていったが、現在では英国など欧州でも目撃例が報告されるようになっている。さらには、BEKに、ついに大人の個体とも言える「ブラック・アイド・アダルト」が現れたという報告まで出てきた。

 目撃されたのは2012年5月、英国・ブリストル近郊にあるリーウッズの森だった。この時、目撃されたのは4人連れの家族だったが、全員が「白目のない真っ黒な目」で肌や髪の色が普通の人より薄く、また移動の際はぎこちなく動いていたという。よく見ると、腕や足の関節が人間とは違うところで曲がっていたように見えたという。

 これらの「黒い目の子供たち」はいったい何者なのだろうか。

 もともと人間は他の動物と同様に黒目しかなかった。ヒトに近いとされるサル科の生物をみてもよく分かることだろう。

 だが、進化の過程で白目が現れ、その特徴が魅力的であったり、目でのコミュニケーションや表情を用いることができるようになって、白目であるほうが有利になり、定着したのではないかとされている。

 ならば、全てが黒目になってしまったBEKは、さらに進化(生物学において退化も進化の一種である)を遂げていった新たな人類なのかもしれない。