【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑368】鳴き声が死を呼ぶ?スリランカの悪魔の鳥「ウラマ」

2020年06月26日 12時00分

悪魔の鳥の正体かとみられているネパールワシミミズク

 あまりに不気味な鳴き声から、妖怪の声ではないかと考えられた生物は多い。有名所では日本の「鵺(ぬえ)」が該当するだろう。妖怪の鵺は「猿の頭、狸の体、虎の手足、蛇の尾」を持ち、不気味な鳴き声を上げて宮中を震え上がらせ、時の天皇を病にさせたという妖怪だ。この鵺の鳴き声はトラツグミという実在する鳥の鳴き声が元になっていると言われており、現在でも山などでその鳴き声を聞くことができる。澄んでよく響く高音は、美しくもどこか機械的にも聞こえるものであり、前知識もなく夜に耳にしたら確かに恐ろしく聞こえてしまうものかもしれない(なお、ユーチューブなどで検索すると動画で鳴き声を聞くことができる)。

 そんな不気味な鳴き声をたてる未確認生物が、スリランカの「悪魔の鳥」こと「ウラマ」だ。ウラマ、またはウラレーナと呼ばれているこの鳥は、セイロン島のジャングルに住んでいるとされており、まるで人間の断末魔の悲鳴のような声を上げるとされている。さらにはこの鳥の鳴き声を耳にすることは死の前兆とも呼ばれ、永らく人々の恐怖の対象となっていた。伝説では首を落とされた者が、片方の腕で自分の頭を抱えて逃げ込んだのが後にこの鳥になったと言われており、鳴き声を聞いたという人は現代でも多く存在する。

 そんな未確認生物のウラマだが、2001年になって正体に関する、ある説が出た。ウラマの正体として白羽の矢が立ったのは「ネパールワシミミズク(Bubo nipalensis)」。大きな体と特徴的な鳴き声が、夜の森で遭遇した際に錯覚を引き起こさせたのだろうとされたのだ。しかし、ネパールワシミミズクは白い頭部と大きな羽角(ミミズクなどに確認される、上方向に立った羽)を持っているが、ウラマにはこのような目立った特徴はないという。そこで、伝説を研究している人たちからは、ウラマは島に生息するガマグチヨタカ(Ceylon Frogmouth)やヨタカ(Caprimulgus indicus)ではないかという説も出てきている。

 確かにヨタカも特徴的な鳴き声を上げるが、いずれもあまり大きな鳥ではないそうで、ウラマの正体と結論付けるには早いという意見もある。スリランカことセイロン島は鳥の楽園といわれている。ここにしか生息していない珍しい鳥たちが多くいるだけでなく、セイロン島は渡り鳥の中継地点でもあり、世界中から珍しい鳥が飛来するスポットでもあるのだ。もしかすると、ウラマの正体はスリランカに一時的にしか飛来しない、渡り鳥のどれかだったのかもしれない。