【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑365】遺伝的突然変異か新種か?背びれのあるクジラが目撃されていた

2020年06月05日 12時00分

突然変異の可能性があるヒレ有りクジラ

 海を悠々と泳ぐクジラと、軽快なジャンプを見せるイルカ。どちらも一生を海の中で過ごす哺乳類だが、この2つの生物の違いとは何だろうか。独特の体か、それとも背びれの有無だろうか。

 実際には体の大きさで区別されるそうで、体長4~5メートル以下のものはイルカ、それより大きければクジラとなる。クジラは歯の形状からヒゲクジラ亜目とハクジラ亜目に大別されるが、イルカはハクジラ亜目に含まれるのだ。

 そんな親戚関係にあるイルカとクジラだが、クジラの中にも大きな背びれを持っているものが存在している?という報告が過去に存在していたのだ。

 まず一例が、学名はアンフィプテラ・パシフィカこと「ジリオーリのクジラ」だ。一見、ナガスクジラに似ているが、既知のクジラにはない特徴である2つの背びれが並んでついているという。

 1867年9月4日、チリの海岸から約2キロメートルを航行中の船に問題のクジラが接近してきた。15分にわたって並走したため動物学者のエンリコ・H・ジリオーリ氏は、非常に近くから詳細な観察を行うことができたという。

 クジラは全体的に細長く体長18メートル、ナガスクジラに似ていたが背中に約2メートルの大きな背びれが2つ並んでついていたそうだ。

 また、長い鎌状の足ひれが2つあり、ナガスクジラの特徴といえる喉のしわがなかった。

 翌年にはスコットランド沖でほぼ同じ特徴を持つ2頭のクジラが確認され、1983年にコルシカ島とフランス本土の間の海域では、フランスの動物学者であるジャック・メーグレ氏が似たようなクジラを目撃したという。

 このクジラが本当に生息しているのかは証明されていないが、ジリオーリ氏は学名をつけて〝分類〟した。

 また、マッコウクジラに大きな背びれがついている?という事例も確認されている。ハイフィン―マッコウクジラまたはハイフィン―キャシャロットと呼ばれるこのクジラは、既知のマッコウクジラに似ているが、背中に異様なまでに大きい背びれを備えているという。

 こちらは北大西洋に生息していると考えられており、1687年に初めて確認された。1946年9月27日には、カナダのノバスコシア州アナポリス盆地の沖で、この生物とおぼしきクジラが2日間捕獲されていたといわれる。記録によれば体長は3~30メートルと推定されるそうだが、あまりにもサイズの振れ幅が大きいため、存在を疑問視する向きも強い。

 この〝ヒレ有り〟クジラの正体については遺伝的突然変異だった可能性が挙げられている。目撃され、新種ではないかと言われたクジラのサイズやあまりにも目立つ特徴を考えると、このような特徴的な外見のクジラが現代まで商業捕鯨者や多くの漁師によって捕獲及び報告されなかった理由の説明がつかないからだ。

 しかし、海は広いので、もしかすると我々が知らないうちに数を減らしていて、希少種や絶滅危惧種になっていた可能性もある。いずれ我々の前に、再び背びれのあるクジラが姿を現すこともあるのかもしれない。

【参考URL】https://en.m.wikipedia.org/wiki/Cryptid_whale#Alula_whale