【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑363】人間に捕獲された後に自殺した?中国のUMA「マオゴング」の正体

2020年05月22日 12時00分

山海経の猩々(イメージ)

 ツイッターなどではさまざまなオカルト情報が流れているため、筆者もよくチェックしている。その中には興味深いものや初めて聞くものもあり、先日、見かけたのは「マオゴング」という中国のUMAだった。

 1970年代、中国南部で「尻尾を生やした類人猿」が捕獲された。研究者たちは「人間に似ているが猿の一種である」と結論づけ「マオゴング」と名づけて飼育を開始。しかし、1980年代後半に鬱病のような状態に陥って、檻の中で首をつって自殺してしまったという。

 まるで人間のように自殺するUMAというものは、これまで報告されたことがなかった。その後の話については定かではないが、おそらく研究対象として解剖されたのではないかとか、ヒマラヤの雪男の正体はこのマオゴングだった可能性があるといわれていたそうだ。

 しかし、本当にこのような未確認生物が存在したのだろうか。中国には「野人」という獣人型UMAが生息すると言われており、実際に調査研究が行われている。

 野人は中国の山間部に広く生息しているものなので、地域によって呼び方が変わったりする。例えるならば、日本の妖怪「河童」が地域によっては「ガータロ」とか「河太郎」とか呼び名が変わることに似ているだろうか。

 そんな野人の呼称のひとつに「毛公(Mao Gong)」というものがある。毛公は中国の湖南省における野人の呼び名であり、1984年には「多くの村人によって毛公らしき生物が捕獲された」という事例も存在していたのだ。

 1984年10月、湖南省西寧県水頭郷平涼里村で奇妙な大型の類人猿が30人以上の農民によって捕獲された。頭部は人間に似ており、体長165センチ、体重20キロ超。長い髪やひげがあり、目は黄色く、平らな口をしていた。足はこれまで記録されていた野人のものよりは小さく、手も人間に非常に近かったが、5センチの長い尾があった。オランウータンに似ていたが、人間にも近いような姿だったという。

 しばらく飼育されていたようで、卵や牛乳、サトウキビ、リンゴなどだけでなく、キャンディも口にした。包み紙の存在は知らなかったようで、そのまま口に入れた後で包み紙を口から取り出すしぐさが見られたという。また、派手な服を着た人や髪の長い女性を狙って威嚇したり、いたずらをすることも多かったそうだ。

 その後、野人調査研究協会や生物学の教授らが現地を訪れ、毛公の研究を行った。すると捕まった毛公の正体はチベットマカクだということが判明したのである。チベットマカクと比較すると大きいように見えるが、どうも計測時にミスがあって大きく報告していたというのが事実らしい。

 よって、日本で流れているマオゴングの話は、どうもいくつかある毛公の話が脚色されたり、曲解して伝わったものが大半のようだ。

 ちなみに毛公とされる生物はたびたび捕獲されており、中国のサイトでは「野人の資料」として写真入りのレポートが販売されていたりもする。その資料の写真もやはりチベットマカクなどのサルのものが多くなっている。

 中国の野人調査研究協会でも「野人の研究において既知の野生生物との照合や、イタズラかどうかの判断は非常に重要な点である」としており、未確認生物分野の研究の難しさがうかがえるものとなっている。