【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑353】海に流された青年が5年後に人魚になって帰ってきた?「リエルガネスの魚人」

2020年03月13日 12時00分

スペインに残る奇妙な魚人伝説(ユーチューブから)

 スペインには奇妙な未確認生物に関する詳細な伝説が残っている。

 スペイン北部カンタブリア州にある小さな村リエルガネスで1674年に、ある大工の青年が友人と川で泳いでいたところ、急な流れに巻き込まれて流されてしまうという事件が起きた。泳ぎが上手な青年だったが、死体が流れ着かなかったため、海まで流されてしまって亡くなったのだろうと考えられていた。

 それから5年後の1679年、スペイン南部のカディス湾で、漁師たちが網に奇妙な生き物が絡まっているのを発見。その時は逃げ出したものの、数週間後に漁師たちによって再び捕らえられ、船の上に引き上げられた。

 その生物は白い肌と赤い髪をした若い男性のような姿をしていたが、喉から胃、背骨の周辺にかけて鱗が生えており、首の周囲にはエラのようなものが確認できた。

 人々は怪物を捕まえてしまったと思い、近くにあるフランシスコ修道院にこの生物を連れて行った。人間のような姿をしていたため、いろいろと質問してみたところ「リエルガネス」という言葉を発した。

 修道院の秘書がカンタブリア州サンタンデール市の近くにリエルガネスという小さな村があることを発見し、この「リエルガネスの魚人」に心当たりがないか問い合わせてみたところ、5年前の事件が出てきた。

 魚のような特徴を持つこの人間は、その時流されてしまった青年なのかもしれないと思った修道士たちは、生物を村へ連れて行った。青年の両親は生物を息子として迎え入れたが、9年後に生物は再び海へ出て行き、以後は戻らなかったという。

 息子として生活している間は服を与えられない限り、裸で歩き回り、パンやワインなどの簡単な単語をつぶやく程度だった。しかし食欲はあまりなく、週に一度だけ食事を取る以外は、何も食べなかった。それでも、コミュニケーションは取れていたようで、頼まれた仕事を引き受けることはでき、村人から阻害されるようなこともなかったという。

 この話はスペインの啓蒙作家ベニート・ヘロニモ・フェイホーによって書かれた著作によって有名になったもので、現地には「魚になった青年」というブロンズ像や、彼の姿に似せた男性の人魚の絵が多く残っている。

 また、フェイホーによる描写が非常に詳しく、特徴を捉えているため、一概に創作と切っては捨てられないという見方もある。

 現代になってフェイホーによる「魚になった青年」の描写をつぶさに見返していくと、クレチン症(または先天性甲状腺機能低下症)だった可能性が高いという見方がある。生まれ持った病気のある人物を解釈するために「人間から別のものになってしまった」という表現を使ったものが「魚になった青年」の話の真実だったのではないだろうか。

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