日本有数のUMAとして知られる鹿児島・池田湖のイッシー。目撃情報によると、体長は約20メートル。背中にコブが2つ、色は黒色、あるいは赤色ともいわれる。蛇か、またはウナギのような長い体をしており、ネス湖のネッシーにちなんで、イッシーと命名された。

 池田湖はカルデラ湖であり、巨大水棲獣にとっては食料が豊富とは言いがたいのだが、大ウナギが棲息しているのは確認されている。また、伝承としては昔から「龍神が居る」「湖に主が居る」ともいわれている。

 戦前から謎の生物が目撃されていたが、1978年9月3日午後6時ごろ、法事のため指宿市池田池崎の川路氏宅に集まっていた20人ほどが湖を猛スピードで横切る2つの黒っぽいコブを目撃した。この集団目撃事件により、イッシーは一躍メジャーUMAになる。地元観光協会はこれを機会に「イッシー対策委員会」を設け、池田湖観光の目玉とした。

 しかし、イッシーは伝説や目撃情報だけではなく、その存在を確固たるものにするような映像が続々と撮影されているという事実がある。78年12月16日に鹿児島市の松原氏が、初のイッシー写真の撮影に成功したというものだ。

 その後も続々とイッシーの目撃情報は寄せられており、91年にはなんと4度の目撃情報が残されている。

 まずは91年1月4日、福岡市の富安氏が家族で指宿スカイラインをドライブ中、湖面に大きな黒いコブを見つけ、持ち合わせた家庭用ビデオカメラで撮影したという。

 さらに、91年3月19日には湖畔から40メートルほど離れた水面に、黒いコブが出没したところを、売店の従業員や観光客が目撃している。黒いコブは目撃されてから30秒後に波間に姿を消したという。

 それからわずか5日後の24日には、共同通信社鹿児島支局の島田記者が、湖面に水しぶきが立ち、その中を黒いコブが移動した場面を目撃している。コブは1つになったり2つになったりしながら、最後には水中に潜っていったという。

 また、その8日後の4月1日、今度はフジテレビの取材班が2度にわたってイッシーらしき物体のビデオ撮影に成功している。イッシーの正体としてはオオウナギ説が有力である。

 2009年2月24日の近畿地方整備局紀南河川国道事務所の発表によると、イッシーの正体とされるオオウナギの幼魚が和歌山県白浜町富田川で見つかった。02年以来、7年ぶりらしい。ちなみにオオウナギは九州南部、千葉県や四国など黒潮の沿岸部に生息しており、体長はおよそ2メートルぐらいなのだが、何らかの影響で巨大化したものがイッシーと見間違えられていた可能性もあり得るだろう。

 その正体はともかく、ここまでの目撃情報があるということは、イッシーという生物が存在していることは間違いないのだろう。