【176】アイスランドの巨大サナダムシ?「ラーガルフリョゥトルムリン」

2016年10月21日 12時00分

「ノルウェー博物誌」に掲載されたシーサーペントのイラスト

「ラーガルフリョゥトルムリン」またの名を「ラーガルフリョゥト・ワーム」。発音も表記も面倒くさいこの名前だが、北欧のUMAということで、その難しさをご理解いただきたい。きっと遠く離れた国の人にとっては、日本の固有名詞だって発音や表記に面倒なものがあるだろう。

 さて、このラーガルフリョゥトルムリンだが、北大西洋に浮かぶ島国アイスランドの東にある観光都市エイイルススタジルの湖および川、ラーガルフリョゥトに出現するシーサーペント(海ではないためシーサーペントではないが)のような形状をしたUMAである。

 ちなみにアイスランドの言語はアイスランド語で、北ゲルマン語のひとつである古ノルド語から派生したもので中世からの変化が少なく、英語やフランス語などの影響が薄いため、習得していれば北欧神話や古典文学を読むことができると言われている。北欧神話が息づいている国であり、国民の言語に対する愛着も強い国だ。

 そんなお国柄で、1345年の目撃記録に始まって、今現在、21世紀でも目撃されているのがラーガルフリョゥトルムリンというUMAなのだ。日本でいうところのカッパのように広く親しまれている存在でもあり、観光にも利用されている。自然が豊かで神話が息づく地での目撃となれば夢が広がるものである。

 湖に出現する水竜のような存在なので、アイスランドのネッシー的な捉え方もされているが、形状はどちらかというと前述のシーサーペントのような大蛇に近い証言が多い。また、ミミズやサナダムシのようだという説もある。

 このサナダムシという説は19世紀に、童話作家でありアイスランド民話の収集家として知られるヨウン・アウルトナソンによるものだ。アウルトナソンが編さんした民話・伝承集の中では人々や動物を食べる存在として書かれていた。不幸を象徴する存在だとも伝わっているそうだ。

 近年になっても目撃談はあるが、1983年には電話ケーブルの業者が、湖で動く大きな存在を探知すると、数日後に湖底のケーブルが傷ついているのを発見した例もある。ねじれないように設計してあるはずのケーブルが不自然に巻き付いている箇所があったようで、怪物の仕業である可能性が高いというのだ。

 そして、2012年にはアイスランドの国営放送がラーガルフリョゥトルムリンの動画を発表したため、この生物について世界中で物議を醸している。観光客が目撃し、撮影したものなのだが、第三者による審査委員会は「フェイクではない」と判断した。

 しかし「本物の映像」ではあるのだが、その動く物体が生物なのかどうかは不明である。機械の可能性もあるが、自然現象によるものだという声も多く、今までの伝承についてもこの可能性が高いと指摘されている。そして、この映像は使用料が日本円にして6500円と、UMAビジネスにも利用されている。

 ラーガルフリョゥトは氷河地帯にあるため、ラーガルフリョゥトルムリンは長い歴史の中で何度も目撃されていても、簡単に見ることができない存在である。人間の立ち入ることが困難な領域であるがゆえに、未知の生物が潜んでいる可能性は高い。ラーガルフリョゥトルムリンは一体どちらなのだろうか。

【関連動画】The Iceland Worm Monster (Lagarfljots Worm) Caught on Camera[Original]

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