近年、未確認生物の姿を捉えた動画が報じられるようになってきたが、これらはひとえに誰もが動画を撮影・発信できることが簡単になったことが関係しているだろう。

 少し前までは鮮明な動画を撮影することは一個人では難しかったし、撮影した動画を世界に向けて公開することなど到底不可能であった。近年では鮮明な動画も撮影できるようになり、実際にその動画に映っている生物が何なのか…。実は他の既存の生物を撮影したものにすぎなかったり、いたずらであった場合などの検証も可能になった。

 また、検証を経ても説明がつかない生物が実際に記録されていたケースなどもあって、未確認生物を研究している側としては実に面白い時代になったと感慨深くなる。

 さて、未確認生物を捉えた動画は多数存在しており、「ネッシー」の泳ぐ姿を捉えた〝ディンスデール・フイルム〟や「ビッグフット」の歩み去る姿を捉えた〝パターソン・ギムリン・フィルム〟などはその代表格だろう。

 だが、中には動画で初めてその存在が確認された未確認生物もいる。それが米国カリフォルニア沖で確認された「マービン」だ。

 1967年10月9日深夜、同州サンタバーバラの沖合で、シェルオイル社が海底の油脈用掘削機を作動させていた時のこと。掘削機にはカメラが設置されており、海中での作業の様子を確認することができる仕組みになっていた。その日、映し出されたものは作業用のワイヤーや鉄骨に絡みつく巨大なヘビのように長い体の生物の姿だったという。

 その生物は大蛇のようで、イボのついた節でつながっている姿で、頭部には退化した目や口に見えるものもあったという。周囲の機材などと比較して、約7メートルの大きさと考えられた。

 職員たちは基地の16ミリカメラでモニター画面を撮影して録画(水中カメラに録画機能がなかったためと思われる)。後に、この映像と体験談が世に出ると、地元の漁師たちの間では、昔から沖合に出ると地元で語り伝えられていた「怪物マービン」ではないかとする噂が流れたという。

 このマービンを捉えたとされる動画は非常に不鮮明であり、現在ではユーチューブなどにも上がっていない。ぜひとも実際の動画を見てみたいものだ。

 マービンの正体については諸説あり、一番可能性が高いとされているのがサルパや群体性のクダクラゲではないかとするものだ。

 サルパは生物学上はホヤの仲間に分類されるもので、クラゲのように半透明で多くの個体が連結して長大なヘビのような姿になる。半透明で節のようなイボがあったという点も各個体の連結が密な部分だったのではないかと推測されている。

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