【245】事件として記載されたフィリピンの「見えない吸血鬼」

2018年02月16日 12時00分

「見えない吸血鬼」はフィリピンの未確認生物「アスワング」との関連も考えられている

 UMAといえば、恐ろしげな見た目に反して実は臆病であることが多い。「ビッグフット」も人間よりはるかに大きく、凶暴そうな見た目であるが、人間と鉢合わせになった時は大半がその場から逃げ出してしまっているのだ。だが一方で、人間を積極的に襲う凶暴な未確認生物の話も存在している。

 1951年5月、フィリピン・マニラの町中をパトロールしていた警官に、18歳のクラリータという少女が駆け寄ってきて助けを求めた。

「助けて!誰かが私にかみついてくる!」

 当然、周囲には誰もおらず、少女も「相手の身長も顔も、性別すら分からない存在が襲ってくる」と言うので、警官はイタズラではないかと思った。

 しかし、彼女の体には何かにかまれたような痕が確かに残っていた。やむなく彼女を警察署に連行したものの、彼女は警察署に入るなり「黒い何かが私にかみつこうと迫ってくる!」と半狂乱になった。そして、床の上に倒れ伏した。

 すると、警官らの見ている前で彼女の肩や腕にかみ傷がいくつも現れ始めたのである。いたずらとは到底思えず、かみ傷は首の後ろなどにも現れていたため、狂言や芝居ではないと判断された。

 彼女はその晩、警察署に泊まることになったが、その間も「謎の黒いもの」は何度も彼女を襲撃した。警察も彼女に襲い掛かってくる見えない何かを捕まえようとしたりするものの、まるで手応えはない。そして彼女を一人にしたところ、全員の見ている前で彼女の喉に歯が食い込み、血が流れ始めたのである。

 この時は警察署の署長や検察医、市長も駆けつけて様子を目撃しており、ただならぬ事態に大勢の警官が取り押さえようとしたが「見えない怪物」を抑えることはついにできなかった。これを最後に彼女が怪物に襲われることはなくなったものの、彼女は半年ほど精神科病院に入院して精神的な治療を受けることとなった。

 にわかには信じがたい話であるが、当時のマニラ警察署の事件報告書にも「特殊事件簿ナンバー108号」として記載されているということだ。

 キリスト教の聖痕現象のように「信仰が深すぎると本当に傷痕が浮かび上がる」という現象が存在する。あくまで筆者・山口敏太郎の仮説であるが、この件も透明な怪物に襲われていると思い込んだことによって、まるでかまれたような痕が浮かび上がったのではないだろうか。

 実際に血が流れたことに関しては何らかのトリックを使ったのでは、とする説もある。また、フィリピンに伝わる伝説的な怪物であり、未確認生物ではないかとも言われている「アスワング」との関連も考えられている。

 現地に残る伝説の怪物の話を現代風にアレンジしたものが、この話だったのかもしれない。

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