【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑312】人体実験の末、人間を襲うようになった水頭症の子供?「メロンヘッド」

2019年05月31日 12時00分

「凶暴な水頭症の子供」だと言われているメロンヘッド(ユーチューブから)

 新しく出現する未確認生物の中には、都市伝説的な側面を持つものも存在している。例えば「スレンダーマン」や今回紹介する「メロンヘッド」などがそれだ。

 メロンヘッドは奇妙に膨れ上がった頭をした子供のような人型の未確認生物だ…というか、「凶暴な水頭症の子供」だと言われている。

 彼らがなぜ生まれるに至ったのか。それは米国・ミシガン州に伝わる以下のような都市伝説がもとになっている。

 ミシガン州にフェルト・マンションという地域が存在するのだが、ここにはかつてある強制収用所が建てられていたそうだ。表向きには医療研究施設で、この施設には水頭症という脳の髄液が頭部にたまり、頭部が肥大化してしまう症状の子供たちが収容されていたという。

 医師らが彼らの世話をしていたが、同時に過酷な人体実験も行っていた。ところが投薬や手術などの実験や肉体的・精神的な虐待に耐え切れず、子供たちはついに結託して医師らを殺害。収容所を逃げ出したのである。

 皮肉なことに、彼らに施されていた人体実験は普通ならば短命のはずの彼らに強靭な肉体や免疫機能をもたらしていた。収容所を離れ、森に逃げた彼らはやがて凶暴化し、人間を襲うようになったのだという。そして、今もたびたび人々の前に姿を現すのだそうだ——という話が一番有名な都市伝説の例だ。

 同様の話はオハイオ州やコネティカット州にも存在しており、こちらでは「狂気の研究者が孤児を用いて人体実験した結果生まれたヒューマノイド」や「逃げ出した狂人が森の中で近親相姦を行った結果、このような亜人が生まれた」という話になっている。

 実際に見たという人もいるようだが、やはり都市伝説から話がスタートをしていることもあり、かなり信ぴょう性には疑問符が付く。

 ミシガン州の例でいえば、事件の舞台となった問題の収容所とされる施設は、過去に一度刑務所として用いられていた記録があるが、受刑者が逃げ出したという記録もなく、何ら問題のない施設であったことがアレガン郡歴史協会の調査で判明している。

 現地の研究によれば、メロンヘッドの話は昔から存在する精神科病院などに対する差別と偏見の目と、また米国の心霊スポットであるドラキュラ・ドライブが関係しているという見方が存在している。

 ドラキュラ・ドライブは「車で走ると何かに襲われる」とされる街道や国道を指すもので、メロンヘッドが出るとされる地域はこのドラキュラ・ドライブのスポットとされる場所と合致するのだ。つまり、米国の心霊スポットを車で訪れる人たちの噂に尾ひれがついて生まれた、と言えるかもしれない。

 さて、実は日本にもこのメロンヘッドを思わせる都市伝説が存在している。それが「巨頭オ」だ。

 2ちゃんねるの「洒落怖スレッド」などで登場した比較的新しい都市伝説で、山の中を車で走っていると古びた「巨頭オ」と書かれた看板を発見する。その看板に案内されるように進んでみると、異様に頭部が大きい人々に遭遇。恐れをなして逃げ帰るという話で、後から考えてみると巨頭オとは「巨頭村」、つまり水頭症で頭が大きく見える人々の村であり、「村」の字の右半分が消えてしまったので「オ」と読めたのではないか、というものだ。

 この話も「車で向かう」「水頭症らしき大きな頭の人々」「廃村から集団で襲ってくる」など、メロンヘッドの都市伝説と重なる部分が多数見られるのだ。もしかすると、日本の巨頭オの話は、米国のメロンヘッドの話を下敷きに生まれたものなのかもしれない。

【関連動画】MICHIGAN MONSTERS: Melon Heads of Saugatuck

https://www.youtube.com/watch?v=1jTVeZfdN-k