なぜか、まったく日本で紹介されないUMAは多い。それは何十年も同じネタを使い回し、新しい情報や事件について発掘の努力をしなかった今までのUMA界の罪である。本稿ではあまり日本で紹介されていない海外UMAを積極的に紹介していきたい。

 この謎の生物「シュンカワラク」(ネーティブアメリカンの言葉なので今回、無理やり日本語発音にしたが、まだ違和感がある)は、ネーティブアメリカンの間で古くから伝えられているイヌのような凶暴な生物であり、オオカミまたはハイエナの大型個体、亜種ではないかとも言われている。

 この「Shunka Warakin」というネーティブアメリカンの言葉の意味だが「犬をその口で運ぶ何か」というニュアンスであり“犬をくわえて運び去る大型の獣”という直訳が可能だ。

 主な生息地はモンタナ、イリノイ、ネブラスカ、アイオワの各州であり、特に中西部の米国に住んでいるようである。

 近代における最初の目撃は1880年代モンタナの低地において、マディソン川沿いに定着したハチンズ家の家族によるものだ。1997年にハチンズ家の人間が彼の祖父がシュンカワラクに遭遇した記録を公表した。

 ある朝、犬が吠えるような声が聞こえ、ハチンズ家の祖父は目を覚ました。するとダークカラーをした見たこともないオオカミに似た獣が一家のガチョウを追っていた。すぐさま飛び出して発砲したが、下流に逃げられてしまった。

 その後、1886年に射殺された謎の動物は未確認動物学者ローレン・コールマンによって、シュンカワラクなのではないかと指摘された。

 この謎の動物の剥製はヘンリー湖(アイダホ州)の湖畔にある雑貨店に併設された博物館に展示されていた。所有者のシャーウッドは獣に「リングドカス」という名前をつけたが、一時期行方不明になるような扱いであった。幸い2007年に再確認されている。

 この再発見された標本を観察すると、鼻の頭から尻(尾を含まない)のサイズは122センチであり、肩の高さは69〜71センチであり、その鼻は極端に狭い。体色はダークブラウン(ほとんど黒く見える)で、体の側面にはストライプの文様がかすかについている。

 ハチンズ一族の中には動物学の博士号を持つ人物がいる。ハチンズ博士は、この動物が何であるかまったく分からなかったが、サーカスから逃げたハイエナである可能性があると指摘した。だが、この当時、周辺数百マイルにはサーカスはいなかった。

 また、モンタナ州マコーン郡でシュンカワラクらしきイヌ科の生物が射殺されている。2005年12月から06年11月の間、赤みがかった黄色という体色の珍しいオオカミが目撃された。

 この風変わりなオオカミはモンタナ州マコーンと周辺の郡で120匹の羊を殺したが、ガーフィールド郡にて、06年11月2日に射殺された。結論としては、赤い色のついた柔らかい毛を持った4歳の雄のオオカミとして判断されたが、シュンカワラクではないかという声もある。

 シュンカワラクの正体としては、ボロファグスと呼ばれている有史以前の哺乳類が有力視されている。古代北アメリカに生息したハイエナに似た生物であり、この生物の生き残りか、あるいはイヌ科の生物と交雑した子孫ではないかと言われているのだ。