「ユニコーン」といえば誰もが知っている幻獣、想像上の動物のひとつで、一角獣の名の通り頭部から一本の鋭いツノが生えた馬である。日本では馬となっているが、尾はライオン、アゴヒゲは山羊、二つに割れたヒヅメを持つとも言われる。様々な哺乳類の集合体である。

 その姿は美しく、白い体に紺色の目を持っている。野生の生物の恐ろしさを象徴させたかのような幻獣が多い中、馬を基調としたユニコーンとペガサスには神秘的な美を感じる人も多いことだろう。

 しかし、性格はいたってどう猛。攻撃的であり、とがったツノと走る速度を生かして、どんな相手にも立ち向かうと伝わっている。ユニコーンの生態として、岩でツノを研いでとがらせているという記述もあるのだ。

 神話の中では水に関する不思議な能力を持っている。水を浄化して病気を治療すると言われており、攻撃性と相反する二面性のある未確認生物である。ユニコーンは毒の力もあり、ツノは解毒や解熱の薬になると信じられてきた。

 また、ユニコーンは処女を好むところから、いわゆる“処女厨(※厨は厨房の略で、中学生の坊主のような幼稚な考えをする人をやゆするネットスラング。処女好きの意味)”のことを「ユニコーン系男子」などと呼ぶ向きもあった。見た目が良く、高学歴高収入、そして処女厨である、と。

 そんな、長く広く親しまれている幻獣のユニコーンであるが、これもまた実在したような形跡があるのだ。

 近年では遺伝子操作によって生物にツノを生やすことは可能で、1980年代には一角のヤギを生み出すことに成功した。そのほかにも2007年にはユニコーンのミイラと言われる物体が発見され、画像と動画に残されている。

 撮影された時期は不明なのだが、ユーチューブには馬に交じってユニコーンらしきツノの生えた白い馬が牧草を食べている動画がある。遠目の映像のため細かいところまでは分からないが他の馬より一回り体が大きいようだ。

 現在、人間の手によってユニコーンが製造されてはいない。しかし、奇形種としてツノの生えた馬や一角のヤギは生まれることがある。

 物語に登場する伝説上の生き物として有名なユニコーンだが、実は今、もっとも実在に近い未確認生物なのかもしれない。