中央アジア・キルギス東部に存在する「イシク・クル(イシク湖)」には「キルギスドン」という竜のような未確認生物が生息しているという。

 湖にすむ怪物の伝説は古今東西を問わず聞かれているため、珍しくないと言えるかもしれない。しかし、キルギスドンは湖の未確認生物には珍しく、「ネッシー」というより東洋の竜に近い生物だとされている。

 その大きさは10メートルほど。オール状のヒレがある点はネッシーなどと似ているが、頭部に2本の角があるため東洋の伝説の竜をほうふつとさせる外見になっているのだそうだ。

 キルギスドンの姿が確認されたのは1970年代以降。イシク湖の近くで巨大な生物の骨が発見され、恐竜や古生物の化石ではないかということで調査団が現地を訪れたという。だが、調査団が目撃したのは生きている個体だった。

 調査団はこの生物の姿を写真に収めることに成功したのだそうだが、ソ連の崩壊により調査団も解散してしまい、今のところ追跡調査が行われる見込みはないようだ。

 ちなみに、昔からイシク湖には「竜がすむ」という伝説があり、中国の唐の時代に三蔵法師が著した「大唐西域記」にもその記述が見られるという。

 イシク湖自体の面積は非常に広く、水深もあるため、巨大生物が存在することが可能な環境であるという。その上、標高が高いところにあるにもかかわらず結氷しないこと、16世紀まで存在していた小さな島が存在しないことなどの奇妙な点もあり、キルギスドンとの関連を考える人もいるという。

 果たして、湖の底に生息しているのは何なのだろうか。

 ちなみにキルギスドンの存在を日本で初めて報告したのは作家で漫画家の飛鳥昭雄氏である。