【200】今もなお出没する「グロブスター」の歴史を振り返る

2017年04月07日 12時00分

セント・オーガスティン・モンスター

 記念すべき連載200回目のUMA図鑑のテーマはズバリこれ!

「グロブスター」

 第1回に取り扱ったUMAではあるが、いまだに新着情報があり、非常に面白い存在だと感じている。

 このグロブスターであるが、伝承や言い伝えに出てくるものでもなければ、都市伝説的に語られる手合いのUMAではない。フェイク画像か?おふざけか?と悩むこともなく、実際に写真も目撃証言も残っているものである。

 そして〝未確認〟な〝生物〟であることも含めて、まさに今の時代のUMAとしてふさわしい存在だと筆者は思っているのだ。

 簡単に概要を説明すると、突如、海岸に漂着する巨大な肉塊のことだ。体毛が生えていたり、もとの生物の原形をとどめていなかったりと、生物の死骸の一部であることは分かっても特定できていない場合が多い。

 動物学者のアイヴァン・サンダーソンが考案した造語で「グロテスク・ブロブ・モンスター(異様な肉や脂肪の塊の怪物)」を略したものである。太平洋、大西洋、インド洋…世界中の海岸で存在が確認されている。

 この名前が付けられたのは1962年のことだが、実際にもっと前のものが写真や記録に残っている。まずは1896年のもの。

「セント・オーガスティン・モンスター」の名で知られるこちらのグロブスターは、米国・フロリダ州にあるセント・オーガスティンの海岸に打ち上げられた。巨大なタコとして騒ぎになったが、おそらくマッコウクジラの脂肪ではないかとの調査結果になった。

 時は流れて1960年、オーストラリアのタスマニアで発見された「タスマニアン・グロブスター」。年代からも分かる通り、こちらがアイヴァン・サンダーソンにグロブスターと名付けられた物体だ。6本の腕のようなものがあり、白い体毛に覆われていた。

 1968年にはニュージーランドのギズボーン地区にあるムリワイビーチに漂着したものが「ニュージーランド・グロブスター」。その後も周辺でグロブスターが確認され、グロブスターの生息地があるのかもしれないと注目を集めた。

 バミューダ・トライアングルで有名な北大西洋でも1988年、1997年の2度、グロブスターが漂着。こちらもクジラの大量の脂肪ではないかと言われている。

 近年では2016年の3月にメキシコのアカプルコの海岸で、4メートルほどの白い毛のようなものに覆われた肉塊が発見された。これはSNSにもアップされて話題になった。

 前述のように「腕のようなものが確認された」個体もあるように、こちらはいくつかの穴があり、感覚器官なのではないかという指摘もある。そうだった場合、単体の生物だという可能性が高まる。

 今年に入るとフィリピンで6メートルほどのグロブスターが確認された。こちらの個体が今までのものと違う点は、血液のようなものが確認され、死骸としては比較的新鮮であることだ。

 鮮血が残っているということは、生前の形状に近い可能性が高く、グロブスターという固有の生物と仮定した場合、グロブスターの正体解明に近づく大きな一歩となる。

 海洋にはまだ謎が多く、地球上でも神秘性を強く有した領域である。この不気味な肉塊も新たな生物の発見となったとしたら非常に面白い。今後も注目していきたい分野である。

【関連動画】Whale Carcass Found In Dinagat Islands, Philippines

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