数ある未確認生物の中でもネッシーなどと並んで認知度の高いものがヒマラヤの雪男ことイエティだろう。赤や黒、白などの剛毛に全身を覆われた獣人の姿をしているもので、一般的に背が高いと思われがちだが、米国のビッグフットなどとは違い、2メートルから人間と同じくらいの大きさである比較的小型の個体が目撃されることのほうが多い。

 また、イエティが目撃される地方はかなり広く、地域や部族によって様々に呼び方が変わるとされている。ある部族では大きさやその性質で呼び方を変えて区別しているそうだ。

 それによると、イエティの中でも一番大きいものは「ニャルモット」と呼ばれ、身長は4〜5メートル、凶暴で家畜や人間を襲うこともあるという。

「リミ」「チュティ」と呼ばれるものは体長2〜4メートル、さらに小さい1・5メートルほどの種は「ラクシ・ボンボ」「ミティ」と呼ばれ、性質はおとなしく穀物を食べるという。この2種は比較的低地にすむとされている。

 ニャルモットが目撃されたことは少ないようだが、4〜5メートルというサイズはビッグフットなどの他の獣人型UMAと比較してもかなり大型となる。

 これほど大きな獣人型UMAは確かに珍しい。もしかすると、現在でも知られている足跡写真や遠景の写真に写ったイエティの姿から概算したものかもしれない。

 さて、これらの写真や動画に収められたイエティらしき姿だが、残念ながらフェイクや岩の誤認なども多い。また、ネパール熊の雌を「イエティ」と呼ぶ部族方言もあり、熊を目撃した現地人の体験談を「イエティ目撃談」と勘違いしたこともあったようだ。

 そもそも「雪男」という翻訳語がミスリードの原因になっている。実はヒマラヤのふもとには緑の森林地帯があり、そこに多くの生物が生息している。つまり、この森林から時々雪山に出てくる未知の類人猿を「イエティ」「雪男」と呼んでいるにすぎないのだから。