【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑304】フランスに漂着した「シェルブールの怪物」の正体

2019年04月05日 12時00分

浜辺に漂着した巨大生物

 当連載でも紹介しているが、海岸に漂着した未確認生物は「グロブスター」という分類ながら、一つのジャンルとなっている。グロテスク、ブロブ(肉や脂肪の塊)、モンスターの合成語だ。

 特に昔の漂着した未確認生物の死体は、例えば巨大なくちばしを持っていたり、ゾウのような長い鼻をもっているなど、さまざまな姿をしており、既に絶滅してしまった何らかの生物であった可能性も感じさせるものとなっている。

 今回紹介するのは、謎の漂着物の一つだ。1934年、フランス北西部のコタンタン半島先端に位置する港町シェルブールの浜辺に巨大な生物が漂着した。

「シェルブールの怪物」は小さな頭に少し長い首、大きなヒレに長細い体をしていることが確認できる。なお、尾びれは海生哺乳類のような形状をしていたようだ。

 大きさはおよそ7・5メートル。古いものなので写真が粗くはあるが、相当な大きさがあったようだ。有名な写真では尾びれの近くに立つ人間が一緒に写っており、人間の数倍はある生物の大きさがよく分かる。

 有名なのは報道写真であったが、その後、当時のニュース動画が発見された。そこでは波打ち際にある白骨化した頭部、繊維質が確認できるヒレや尾ビレ、また肉の間には丈夫な骨が存在していることが見て取れるものとなっていた。

 また、当時の人々にとってはかなり衝撃的な事件だったようで、海岸から見守る多くの人々の様子が捉えられている。

 この生物は当時から研究対象になっていたようで、専門家からのコメントも出てきている。ロンドン動物園の学芸員は前述の哺乳類のような尾ビレを指して、小型のクジラではないかと推測。またロンドン自然博物館の学芸員は大型のオットセイである可能性を挙げていた。

 このように正体については専門家の中でも意見が分かれたので、パリ自然史博物館の学芸員が頭部とヒレを持ち帰り、分析してみたとのこと。その結果、怪物の骨が軟骨だったため、軟骨魚類である可能性が高いという結果が出たのだ。

 未確認生物がお好きな方は昭和の日本でトロール漁船がニュージーランド沖で水揚げした未確認生物の死体「ニューネッシー」をご存じの方もいるだろう。このニューネッシーも小さな頭に大きなヒレが存在していたため、ネッシーそっくりだと話題になった。このニューネッシーと今回のシェルブールの怪物の姿もよく似ているのだ。

 ニューネッシーは分析の結果、大きなウバザメの死体であり、特徴的な頭部は大きな下顎が落ちたためネッシーを思わせる姿になったとみられている。おそらくシェルブールの怪物も腐敗が進行したウバザメの死体だったのではないだろうか。