【190】鳥類と爬虫類の特徴を持つ「始祖鳥」

2017年01月27日 12時00分

始祖鳥のイラスト

「始祖鳥」といえば、言わずと知れた“鳥類の元祖”であり、ダーウィンの進化論においても重要な役割を持つ、科学的にとても意義のある存在である。


「生物が環境への適応や生存競争を経て進化してきている」という説を支えるような鳥類と爬虫類、両方の特徴を持っているのだ。

 始祖鳥の化石が最初に発見されたのは1860年のこと。場所はドイツ・バイエルン州ゾルンホーフェン。特にジュラ紀の化石が多く発見され、この始祖鳥の化石もジュラ紀後期の地層から見つかった。

 始祖鳥は大きいものでも尾を含めて全長が50センチほどで、全体的な特徴はカササギに似ているらしい。あごには鋭い歯があり、前肢にあたる翼にはカギ爪のついた3本の指を持ち、尾には骨が確認されている。これらの点が現生の鳥類とは違う点なのだが、始祖鳥には何よりも羽毛があるのだ。

 始祖鳥が鳥類のように羽ばたきによって飛行することが可能だったのか、ムササビのように滑空するだけのものだったのかは、いまだにようとして分かってはいない。骨格から考えると、あまり羽ばたき飛行には向いていなかったのではないかと思われる。

 始祖鳥と恐竜を進化で結びつけるには「羽毛の生えた恐竜の存在が必要になる」と言われているようだ。実際のところ、すべての恐竜に羽毛が生えているわけではないのだが、羽毛の痕跡のある恐竜の化石がわずかながら発見されている。

 現在では始祖鳥は現在の鳥類の祖先ではなく、爬虫類が鳥類へと進化する可能性のうちのひとつだったと考えられている。この時代の他の“始祖鳥”が鳥のご先祖様なのかもしれない。始祖鳥もまだまだ確認できないことが多いのだ。

 科学というものは解明された事実があることによって、その先にさらに不明な領域が広がっていることもある。人間が自然を理解するための便利な学問であるうえに、知的探求の欲をかなえ続けてくれるものでもある。不明な領域を目にしてしまったとしても諦めて、“自分の知識が絶対だ”などとおごることなく、「知らない」「分からない」という現実を踏まえて先の知識へと進みたいものである。

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