パプアニューギニアの東に位置するソロモン諸島はイギリス連邦に所属する島国であり、手付かずの自然が残る“現代の秘境”とも言うべき島である。他の島や大陸とは隔絶されていることもあり、独自の生態系や生物も存在しているとされる。

 そんな自然豊かで隔絶された環境を持つところからは時折、「正体不明の生物が生息している」とする報告がなされることもある。

 オセアニアのUMA(未確認生物)でよく聞かれるのは「シーサーペント」などの海生生物タイプのUMAだが、中にはジャングルの中をかっ歩する生物の目撃証言も存在する。今回紹介する「ガダルカナルジャイアンツ」もその一つだ。

 黒や茶色や赤みがかった体毛を長く伸ばし、ダブルの濃い眉毛、平べったい鼻が特徴である。大きく分類して3種類あり、毛むくじゃらで巨大なグループ、3メートルぐらいのグループ、2メートルぐらいのグループが確認されている。各グループはそれぞれ数百人から、場合によっては数千人の人口がおり、人間に対しては捕食や敵対行為をとってきたという。

 一般的に野生動物は火を恐れるため、この獣人から逃れるには火をたけば良いともされているが、一番巨大な獣人は明かりを使用できるため、火を恐れずに近づいてくるともされている。

 巨人の領土とされるエリアは、ポポマナセウ山に広がる熱帯ジャングル西部分であり、1000平方キロメートルの面積を持っている。

 人間との交配も可能で巨人の子孫も存在し、なかにはさらわれて、交配後に殺された人間もいるという。一方で獣人の子供が人間と接触し、友好関係を築いたケースも存在しており、付き合い方を間違えなければ無事にやり過ごすことも可能なのかもしれない。

ソロモン諸島の巨人
ソロモン諸島の巨人

 1998年には“ゴールドリッジ事件”が起きている。ガダルカナル政府の手でノーザンゴールドリッジ鉱山の開発が進められたのだが、巨人たちが生息するエリアにも及んだときに奇妙な出来事が起こった。10トンの重さがあるブルドーザーが何者かによって破壊されたり、離れた場所に無断で移動させられていることが起こった。しかも、周囲には巨大な足跡が残されていたという。

 このガダルカナルジャイアンツに関し、2011年に一度、現地での探検が行われたが、その正体をめぐっては諸説ある。マレーシアのオランペンデクと関係がある新種の類人猿という説、ギガントピテクスの末裔や生き残りという説、デニソワ人の末裔や生き残りという説が唱えられており、特にデニソワ人は発掘されている歯の化石が大きいことから、3メートル前後の巨人だったという仮説もあり有力な正体候補だ。

■関連動画■Giant (?) grave in Kakara, Malaita, Solomon Islands